季節を問わず楽しめる貝殻拾いしてみませんか

毛木 仁さん

 長生村在住の元高校理科(生物)教諭だった毛木仁さん(64)は、昨年末、ビギナー向け貝収集図鑑『海で貝拾ってみませんか』(たけしま出版)を著した。同書は、口コミで評判になりシニア層を中心に人気が広がっている。「せっかく三方を海に囲まれた千葉に住んでいるのだから、気軽に海岸歩きをして貝殻拾いを楽しんでほしい。特にゲームなどのバーチャルな世界にのめり込みがちな今の子どもや若い人たちが、海や貝に触れることで自然の美しさをリアルに感じてもらいたい。また、貝殻拾いを通じて家族をはじめ人とのコミュニケーションも図れるし、孫に貝の名前を尋ねられても、すぐに教えることができる賢いジジババになれる(笑)」と貝殻拾いを勧めている。
毛木さんは九十九里高校で教職に就いていた約10年前から、全国の海岸を歩き貝殻の収集を続けている。自室には貝の標本が棚一杯に収められ、本棚にはたくさんの専門書が並ぶ。出版に至ったいきさつは、自らが拾った貝の名前を調べようとした時、すぐに分かる図鑑がなかったから。
「専門家ではない私が本を出すことには、かなり悩みました。でも、素人目線で書いた本、自分があったらいいなと思う本を書いてみようと思いました。専門家の方が書かれた本は、初心者にはレベルが高く難しすぎる。貝拾いをしなければ食べるだけの貝。でも、貝の見分けがついて名前が分かり、その貝についての歴史や生態などの知識が得られれば、貝の世界の広さと面白さや、更に自然にも興味が持てるようになるのでは。私の本が、そのきっかけづくりになったら嬉しい」と言うだけあり、貝殻拾いビギナーには有り難い工夫が本の随所になされている。
ページをめくると、次から次へと房総の海ではお馴染みの貝が登場する。「ひとつの貝の写真を何個も載せている。同じ貝でも模様や色は様々だから1個しか載せないと、それと同じに見えないと別の貝と思ってしまうから。で、見つけられずイヤになってしまってはと思って。複数載せることで、その貝の特徴が見えてくる。あと大きさも分かるよう10円玉を近くに置きました」更に、貝の判別点や特徴を記した文章を2行に収めることで、一目で写真と文章が理解できるようにした。貝の専門用語は極力使わないようにし、まず調べる際に必要なグループ分けでは「笠の形」、「カタツムリの形」、「縦すじはっきりの二枚貝」などと分かりやすいネーミングにした。
 図鑑に載せる貝の絞り込みにも工夫のあとがみてとれる。「日本の多くの海岸を回り、貝殻を採集した。特に千葉県では、ほとんどの海岸を歩き600種類ぐらい集めた。その中から貝殻収集初心者のために、たくさん拾えた、千葉県の皆さんが簡単に拾えるだろう貝を選び、多くの図鑑を調べ、より一般的に見られる300種類を載せた。千葉県の長い海岸線には、内湾、外洋、干潟、砂地、磯など様々な環境があり、日本中部で見られる貝のかなりの種類が見られるので、千葉県だけでなく全国各地の貝の判定に役立つと思う」と話す。
A5サイズ(ハガキの2倍の大きさ)で80ページとコンパクトで持ち歩きしやすく、濡れても湿ったり破れにくい紙質なので海岸歩きには最適。「海域と採集地」のページでは、駐車場のある「初心者向き採集地」がリストアップされ、主に採集できる貝殻も記してある。夏は家族で海に出かけることも多くなる。そんな時は是非、毛木さんの本をお供にどうぞ。きっと家族の楽しい思い出づくりに一役買ってくれることだろう。「安・近・短(費用が安く距離が近く日程が短い)」なレジャーには房総の海がオススメだ。拾った貝殻は標本にしてもいいし、きれいな瓶に入れ飾ったり何か作ってもいい。庭にアクセントに置いているお宅もある。
但し、毛木さんは「本のタイトルでは貝としていますが、生きている貝はその海の貴重なものですから、拾って名前を確認したら海に戻してください。持ち帰るのは貝殻だけにしましょう」と呼びかける。最後に、自著の裏表紙に書かれている文章を、毛木さんからのメッセージとして伝えたい。
「貝拾い 科学の山の1合目 貝拾い きれいな海の守り役 貝拾い 名前を調べて脳トレに」
本の購入は書店、インターネット、たけしま出版(TEL047・167・1381)で。尚、定価は1200円+税金だが、今回はシティライフ読者のために、(毛木さんの秘密基地)ゆうそう舎受付分には特別割引価格で販売する。

問合せ ゆうそう舎(いすみ市小高411ー1)
TEL 080・2568・7918

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