和のしつらえと、美術品との調和を愉しむ空間

 今春、オープンして3年目を迎えた私設美術館『源吾』。茂原市郊外にある和風建築の落ち着いた佇まいの近現代陶芸を中心に絵画や工芸品などを展示した美術館である。道路に面した門から蔵戸で作られた入口に向かう。入口横にある木の板を木槌で叩き来訪を伝える。館内には、第1会場と第2会場の2つの展示室があり、更に茶室も設けられてある。自宅敷地内にある離れを改築した美術館だ。
 第1展示室は棚に、第2展示室は家具の上に美術品が展示されている。家具といってもアンティークな雰囲気が作品を際立たせる水屋箪笥、大正時代の日本や朝鮮の収納家具で、室内に架けられた梁の存在とあいまって、調和の美を醸し出している。また、展示室が全面ガラス張りになっており、和風テイスト漂う庭が見え、その庭から摘んで活けた草花が展示室のアクセントとなっている。
 館主の丸島幸雄さんは、20代半ばから友人の影響で焼き物を集め始め、その後、絵画や工芸品も。「趣味で深みにはまった焼き物がいっぱい集まった。焼き物は暮らしの中で使う道具だと考えているので、大事にしまい込むのではなく、見てもらい使ってもらおうと、茶室を併設した美術館を開こうと考えた」と、丸島さんは話す。
 茶室では希望すれば140以上ある茶陶器の中から好きな茶碗を選び、お茶をのむことができる。お茶会を年に4回開催し、お茶室の貸出も考えている。
 展示室の調度品は丸島さんが、30年以上前から集めたコレクション。中には、生活の中で使ってきたものもあるそう。 3カ月毎に全作品を展示替えする。取材時は夏の展示に切り替わる直前だったが、この記事が掲載される頃には『白の世界』(夏の展示タイトル)が展開し、白い器やオブジェが堪能できる。
 人間国宝を含む茶碗をはじめ展示品の数々は、プロからも「見ごたえのある作品」と表されるが、けして敷居の高い美術館ではない。それは、丸島さんの親しみやすく明るい人柄であることが大きい。美術鑑賞のビギナーなら、丸島さんに色々お話を伺うとよい。喜んで分かりやすく説明してくれるだろう。

問合せ 私設美術館・源吾(茂原市三ヶ谷1301)
TEL 0475・24・8571
開館日は金・土・日(お盆の時期は1~2週間休館)10~16時。入館料500円(お茶付き)。パーキング隣の空き地

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  毎月第1・3月曜日に、市原市福祉会館で開催されているのは『障がい者のヨーガ教室』。13時半から14時50分まで、講師の小林正子さんとアシス…
  2.  上総国の豪族・上総広常(?~1183)は、鎌倉幕府設立の功労者として歴史に名が刻まれる。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、広常が源頼…
  3.  茂原市谷本の住宅街で、工房・蔓gali(ツルガリ)を構える村越達也さんは、山葡萄(ぶどう)の籠バッグや財布を制作している。もとは旅行関係の…
  4.  大福山は市原市の最高峰。標高285mの山頂には日本武尊を祭った白鳥神社が鎮座し、東側の展望台からは北にスカイツリー、南には房総の山々が見渡…
  5.  サギの仲間のゴイサギ。目が赤く、頭部から背中にかけて灰青色、羽は灰色、腹部は白、足が黄色のずんぐりした可愛いサギである。幼鳥は全体が茶褐色…
  6.  現代の溢れる情報量の中、私達は様々な分野で物事を選択しています。日常の中で大なり小なり、必然的に繰り返される事柄の一つと言えるでしょう。こ…
  7.  8月、新型コロナウィルス禍を経て3年ぶりに第71回関東聾(ろう)学校野球大会が開催された。県立千葉聾学校野球部は優勝を目標に掲げるも、埼玉…
  8.  6月18日(土)、『天然ガスと茂原の未来』と題するシンポジウムが、茂原市で開催された。主催はもばら検定ガス博士実行委員会。『もばら検定ガス…
  9.  8月30日(火)~9月4日(日)、いすみ市大原文化センター2階(いすみ市大原7838)で、いすみ市在住の作家、松井美恵子さんが「コラージュ…
  10. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  毎月第1・3月曜日に、市原市福祉会館で開催されているのは『障がい者のヨーガ教室』。13時半から14時50分まで、講師の小林正子さんとアシス…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る