~「ごめんね」「いいよ」が言える子に~

 小さい子どもたちは、とっても素直ですね。ケンカをしても、「ごめんね」って謝れて、「いいよ」って許してくれる。そして、何もなかったかのようにまた遊び始めます。
 それが小学校高学年くらいになると「ごめんね」のかわりに、「○○してくれないから、こうなった」「自分は悪くない」と、言い訳が増えてくるようです。言い訳をしている子どもを見ていると、正当化して自分を守っているようにも見えます。きっと、幼児期には受容されていたことが、小学生になって、否定やダメ出しが増えたのかもしれませんね。「なんでこんなこともできないの?」と親に言われると、できなかった理由を考えるようになります。それが『言い訳』になっていくのでしょう。
 厳しくすることも必要ですが、その根底に「受容」がなければ、子どもは厳しい言葉を聞き入れることはできません。自分を否定されたと思った時点で、子どもは親から心が離れていくものです。日常的に否定され続けていると、それを外で発散するか、内にこもるようになってしまいます。外で発散する子は、非行や暴力、いじめに発展する場合もあります。内にこもる子は、心を閉ざし、引きこもりや不登校、深刻な場合は自傷行為や自殺になることもあります。
 大きくなっても、素直に「ごめんね」「いいよ」が言える子は、受容されている安心感があるから謝れるし、許すことが出来るのだと思います。受容と厳しさは二つで一つ。これが親子の信頼関係の基盤です。

中嶋 悦子(なかしま えつこ)
1965年生まれ。宮崎県出身。二男二女の母。大網白里市在住。エンカレッジ・ステーション(株)代表取締役社長。NPO法人民間児童館おおきなかぶ理事長。ありんこ親子保育園理事長。エッセイスト。
http://www.en-sta.jp
連絡先 TEL.0475-53-3509

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  鉄道写真愛好家の皆さんへお知らせです。今年6月6日(木)~6月11日(火)に開催予定の『小湊鐵道を撮る仲間たち展』に写真を出展いただける方…
  2. ●常夏のハワイアンズで「しまじろうといっしょに はじめてのチャレンジ!」  いわき湯本の豊富な温泉で、6つの温泉テーマパークが楽しめる「ス…
  3.  新芽が出始めた春の里山を散策してみた。葉の色や形、大きさなど種類の多さが感じられる。葉の多様性といったところか。  そんな中で高い木の枝…
  4. 【写真】チバニアンガイドの皆さん  2020年1月、市原市田淵の地磁気逆転層を含む地層『千葉セクション』がGSSP(地質年…
  5.  前回、近い将来起こるであろう世界的な食糧問題について書きましたが、多くの学者は、私達が生き延びるには人間が何万年と育んできた古来からの農法…
  6. 【写真】『音楽堂in市原《私の十八番》ガラコンサート』にて。ヴァィオリン・川井郁子さん、ピアノ・熊本マリさん  市原市市制…
  7. 【写真】いちはらフィールドマップ巡り・市原にて  市原市姉崎在住の石黒修一さん(76)は、『地域を知り・守り・愛する』とい…
  8. 【写真】ダリア花(茂原市立美術館蔵)  2月14日(水)~3月24日(日)、茂原市立美術館で、千葉県誕生150周年記念事業…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】チバニアンガイドの皆さん  2020年1月、市原市田淵の地磁気逆転層を含む地層『千葉セクション』がGSSP(地質年…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る