楽しんで自分ができることから国際交流

プロサーファー・パプアニューギニア親善大使 山浦宗治さん

 長生郡一宮町に住む山浦宗治(むねはる)さん(42歳)はプロのサーファー。6年前からサーファー仲間とパプアニューギニアの親善大使を務めている。
 宗治さんの生まれは東京都立川市。アメリカンカルチャーを知る中学校の先輩の話に影響を受け、14歳でサーフィンを始めた。高校は日本で唯一サーフィン部があった鴨川市の学校。親元を離れ下宿をしながら毎日サーフィンに没頭したという。卒業後、茨城県に移ったのもサーフィンを続けるため。地形によって波に変化があるので、先の尖った犬吠岬の両側では、それぞれ違った波を楽しめるという理由から、地図を広げ住む場所を探したそうだ。知人も伝もない土地だったが、偶然アマチュアのチャンピオンになった人と知り合い、5年間、修行に明け暮れた。その後プロになろうと決心し一宮町に移り、2000年に日本サーフィン連盟公認のプロサーファーの資格を習得。8年後に、オーストラリア政府公認のコーチライセンスも取得し、それが縁でパプアニューギニア政府観光局の要請を受け、親善大使となった経緯がある。
 「パプアニューギニアの海はサーフィンに適した波が立つ所で、サーファーには憧れの国です。海辺に住む人々は、以前から海に板を浮かべ、サーフィンのような遊びをやっていたようです。しかし国民の70%が自給自足での生活で、決して裕福とはいえずサーフボードなど手に入りません。そこで全国からボードを集め、地元の子ども達に持って行き、指導も行いました。1年後、同じ場所に行くと、子ども達は劇的に上手くなっていました。しかし贈ったボードは約100本。手にできる子どもは限られており、一般に広まるには十分ではありません。親善大使として他に何か出来ないかと考えました」
 そして妻の敬子さん(34歳)の勧めもあり、目をつけたのが絵手紙。年齢や性別に関係なく誰でも出来ると思ったからだ。母親が絵手紙を教える教室で敬子さんも何度かアシスタントを務め、勝手が分かっていたこともあった。60セットの絵の具や筆を持って行き、現地の小・中学一環校に頼み込み、1時間だけ時間を取ってもらった。
 「絵など描いたことがない子どもも多く、最初は恥ずかしがっていました。下手でいい、下手がいいと励ますと、楽しそうに絵を描いていました。そして日本から持って行った絵手紙と、現地の子ども達が描いたものを交換してきました。また私が話す言葉も、子ども達が日本語を聞く初めての機会となり、校長先生から今後も交流を続けて欲しいと言われました」と宗治さん。
 敬子さんは宗治さんに同行して何度か現地を訪れていたが、さらなる日本文化の紹介を考え、プロのヘアメークアーティストとしての経験を活かし、結婚式などの祝儀袋に結んである水引を使って髪飾りを作り、現地で知り合った女性らにプレゼントした。「大変喜んでいただき、日本文化を紹介する良い機会となりました。親日家も多く、現地を訪れる度に楽しいひと時を過ごしてきていますが、パプアニューギニアは日本軍が進駐したこともあり、海中には戦車などが沈んでいるような所です。過去をしっかり頭の片隅に置きながら、うわべだけじゃない自分たちが出来る交流を今後も続けて行きたいと思います」と敬子さん。
 宗治さんや他の親善大使が行う交流に参加できる海外ツアーがある。民間の旅行会社の企画だが、プロの指導の下サーフィンが出来るのはもちろん、パプアニューギニア政府観光局の協力もあり、民間レベルの文化交流や伝統的なダンスやコンサートが楽しめるとあって希望者も多い。また地域社会に貢献したいと、東日本大震災前まで毎年夏に一宮町の海岸で行ってきたイベントがある。山浦さんと一緒に親善大使を務めるプロサーファー2人を含む仲間7人で企画した『ナチュラル サーフィンスタディ』。サーフィンの他、砂浜でビーチサンダルを飛ばす競技や、ゴミ拾いをしながら子ども達に自然を知ってもらうのが目的だ。今後はこのイベントを再開させ、大勢の子ども達が自然や人との関わりの大切さを学んでもらいたいと考えている。

問合せ 山浦宗治さん
yamauramuneharu@hotmail.com

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