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子ども達がキラキラと輝く場所 プレーパーク『睦沢町まっ白い広場』
- 2016/12/9
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ツリーハウスに登り、元気いっぱいの笑顔を窓からのぞかせる子、大きな丸太のブランコに乗ってはしゃぐ子。そのほかノコギリで木を切ったり川で遊んだり。長生郡睦沢町にあるプレーパーク『まっ白い広場』。ここでは参加者ひとり一人が主役。雑木林の中で五感を使って思いきり自然と遊ぶ。「ゴミとケガは、自己責任で持ち帰り」がルール。「自主性を育てたいので、なるべく手は差し延べない。工作などで失敗しても口は出さないし、ダメという言葉も使わないようにしています」と事務局長の松本敏男さん。
2004年、県知事と県民が直接対話するタウンミーティングで「子ども達に自然の中で遊ぶことの楽しさを体験させてあげたい」との声が上がった。そこで、同席していた中核地域生活支援センター『長生ひなた』のメンバーを中心にプレーパークを立ち上げることに。町立土睦小学校裏の雑木林の一部を切り開き、ツリーハウスやピザ窯、ターザンロープを作った。近所の人の厚意で、周囲の畑も遊び場として提供されている。常時活動しているボランティアスタッフは元教員や福祉関係者など約10名。昨年までの3年間は町から、今年は林野庁からの助成金を受け運営している。
取材した9月10日の参加者は約80名。毎月1回の開催を心待ちにしているリピーターも多く、中には保護者なしで1人で遊びにやってくる子も。町外や県外からの来訪者もあり、参加者は年々増えている。
公園のように鉄棒や滑り台などの遊具が最初から備えられてはいない。「何もない真っ白な状態から、参加者とともにみんなで遊びを見つけ、楽しんでいこう」そんな思いから『まっ白い広場』と名付けられた。
広場の中で、子ども達は実に生き生きと動く。子どもは本来、生き物が大好き。ミミズなんてへっちゃら。ヤモリ、トンボにセミ、バッタ、クワガタムシまで様々な生き物に出合うことができる。ある1人が生き物を捕まえると「見せて見せて」と、目の色を変えて他の子が寄ってくる。森の中ではみんな仲間。お互いに協力し合い、キラキラとした表情で夢中で遊ぶ。あちらこちらで焚き火に興じる姿も見られた。大きなショベルで穴を掘り、新聞紙や枝を置いてマッチで火をつける。普段はできない火遊びが自由にできるとあって意気揚々とした表情で声をかけあう。「火が消えちゃうぞ」、「もっと枝を拾ってこよう」工夫をしながら小学校低学年男子のグループが一生懸命に火起こしをしていた。母親と一緒に火を起こし、焼いたマシュマロを美味しそうにほおばる幼児も。
また、この日は森林インストラクターの藤田浩二さん(通称ぷうさん)による講座『森の宝物を探しに行こう!』が行われ、子どもたちは多くの生き物と植物を観察した。「なにかトゲトゲのもの」、「なにかにおいのするもの」など、配られた『宝ものリスト』の中に書かれたものを見つけるため、森の中を探検した。「ぷうさん、これなあに?」、「スギの実を見つけた!」など、見たまま感じたままに質問や驚きを口にする子どもたち。藤田さんは「これはシデムシと言って森の掃除屋さん。他の生き物が死んだらそれを食べに出てくるんだよ」など、どんな質問にでもわかりやすい言葉で答えるので子ども達に大人気。「おとのするもの」は、みんなで草笛を作って鳴らした。最後は木粉粘土に、拾った実や枝を埋め込み思い思いに「森の妖精」なる人形を作った。
お昼にはスタッフ手作りのカレーが振る舞われた。季節により、竹にブルーシートを被せたウォータースライダーやカヌーも登場する。2月の川払い時に川に入り、大きなコイを捕まえた子も。松本さんは「今の子もたくましいなぁと思います。子どもたちの嬉々とした表情を見ると、こちらも嬉しくなりますね」と目を細める。
保護者からは「小さい頃は自然の中で遊ばせたいと思って参加しました。子ども達は本当に楽しそう。そして私も楽しい」との声が聞かれた。土睦小学校裏の鎮守川脇で毎月第2土曜開催。1016時。同校が駐車場。無料で事前申込不要。持ち物は弁当、飲み物、着替え、ヘルメットなど。授乳テントあり。ボランティアスタッフ募集中。
問合せ 事務局 松本さん
TEL 0475・44・2289