地域の大きな光となって一人ひとりが輝けるように

 いすみ市を拠点に、仕事や地域活動に取り組む女性を繋ぎ、学び、高め合い、発信する場としてisumie(いすみえ)が発足したのは2016年4月。これはSNS(ソーシャルネットサービス)で個人が自分の知り合いだけに発信していた情報を、isumieを通して誰にでも知らせることが出来るというもの。
 「個人がいくら仕事を頑張っていても情報は自分の知り合いだけにしか伝わらず、広がっていきません。isumieではメンバーが発信する内容を誰もが見られるし、メンバーもお互いの仕事内容が分かるので、助け合うことが出来るのではないかと思いました」と代表の内野美佐さん(47)。町おこしのボランティアの経験があり、パーティの飾りなどを粘土で制作するクレイデザイナーでもある内野さんはisumieのような仕組みを以前から考えていたが、実際に出来るかどうかを友人でもあるアクセサリー作家の古柴房枝さんと農家の青木昭子さんに相談し、それに2人が賛同する形で発足の準備を始め、4カ月後にスタートさせた。
 SNSはそれぞれが使い慣れているフェイスブック(以下FB)を活用。発足後すぐに、FBの効果的な使い方や人の目を惹く写真の撮り方、文章の書き方などを学ぶ勉強会を開催した。その後も中小企業診断士を招き、自分たちの仕事のスキルアップや付加価値を上げるための方法を学ぶための勉強会や交流会を行っている。
 会員になるためには、いすみ市で仕事をする女性であること。自分の仕事の発展を考えている人。そして何よりも、いすみ市への愛が必要だという。メンバーは現在63人。英会話やフラダンスの講師、美容師、酒蔵、飲食店など多彩な職種の女性が集まる。いすみ市役所の職員もメンバーとして祭りや花火大会など、行政が広報で発信する情報も載せている。特別に取材する人がいるわけではなく、自分の事は自分で発信するが、誰が発信したかを明確にするため必ず本文の前に会員番号と自分のサイト、名前を書く。また投稿は特定の人に偏らなくするため、週に1回までとしている。
 県外も含めたくさんの人がisumieの発信する情報を見ているようで、自作のアクセサリーをイベントに出品しての商売だった古柴さんもisumieに案内を載せたところすぐに引き合いがあり、その後の仕事も順調に維持するようになった。無農薬で化学肥料を使わない野菜をレストランや地元の朝市に出している青木さんも「たくさんの人に自分の作った野菜を食べてもらいたいと思っていましたが、朝ここに出品しますという案内を出すと、それを見た人がわざわざ遠くからでも買いに来てくれます」と話す。
 自分の商売だけではなく、台風で傷が付いてしまい売り物にはならなくなった地元の梨の情報を載せた所、近隣のホテルが朝のバイキング用にと購入してくれたり、高齢で店を閉めようと思っていた干物屋の丁寧な仕事ぶりを紹介すると、たくさんのお客さんが来てくれるようになり、店を続けることになったなどと、地域の小さな経済の活性化にも一役買っている。
 箱を開けたらいすみ市のいいものが入っているというコンセプトで「いすみの贈り物セット」を青木さんの提案で始めた。これまで、伊勢海老やチーズなどが入っているクリスマスセットや、花のブーケやアクセサリーの入った母の日セット。干物が入った朝ごはんセットなど、メンバーの関係する商品をテーマごとに選んで売り出した所、すぐに完売。
 自分たちの考えを商品化し、販売、売上に繋がったことで大きな自信にもなったという。今後も「こんなことがしたい」と思いついたメンバーが考えを投稿し、それに賛同するメンバーが一緒になり商売につなげていく。isumieとしては個人的な肩入れはしないが、イベント用の旗や地図の制作などで、メンバーを応援していくつもりだ。また今年の8月にはisumieサマーフェスとして物販を中心とした交流型販売会を開催した。そこでは物を売るだけでなく、人が多く集まる事で出会いがあり、その結果新しい企画が生まれ商品化する実例も出てきたという。
 その他にもいすみ市の空き家情報をisumieで知ったという人や、移住を考えている人が訪ねて来てくれたりするなど、isumieが発信源となって人の流れが生じ大きな輪が広がってきている。isumieという名前は東京都渋谷にあるヒカリエを参考にしたが、「いすみへ来てね」、という思いも込めている。「毎日のように新しい情報がメンバーから発信されることで、いすみ市を身近に感じてもらい、いすみ市のファンを増やしたいと思っています」と内野さん。
 いすみの暮らし・仕事・美味しいもの情報はFBでisumieを検索。

問合せ 内野美佐さん
TEL 080・1161・8282

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