魂を込めて作った蓮根を届ける

 長生郡長南町の山間部で、衰退する農業をいかに再生させるかという課題に取り組んでいる青年がいる。金坂哲宏(あきひろ)さん(34)は、放置竹林で問題になっている竹に注目し、今では『竹チップ蓮魂』と名付けた商品の蓮根を市原市やいすみ市内の道の駅などの直売所に卸販売している。
 「元々は、父が自営で蓮根農家をしていましたが、8年ほど前に急死してしまいました。IT専門学校を卒業して都内にいたのですが、家業を継ぐためにUターンしました」と話す金坂さん。それまで出荷を手伝った経験はあったものの、栽培作業は全くの未知。だが、「父の蓮根は農林水産大臣賞をとったこともある品種で途絶えさせるわけにはいかない」という強い思いがあった。
 茨城県の農家に40日間研修に行き、最低限の知識を仕入れると、あとは独学でスタート。「竹チップに行きつくまでには、炭や竹を粉砕したパウダーを入れるなど試行錯誤しました。蓮根は基本的にオーガニックで栽培できないんですが、それはなぜかと原因を調べるために病害虫の研究もしました」と語る金坂さんの『蓮魂』は灰汁(あく)が少なく食べやすいのが特徴だという。
 オリーブオイルで炒める調理法もオススメで、「今まで年末年始にしか食べなかった蓮根がこんなに美味しいと気づかなかった」と年配の女性に言われた時は嬉しかったという。今後は、「金坂ブランドとしてより広い場所で流通させていくとともに、多くの品種があり味も異なる蓮根についてより詳しく消費者に伝える方法を考えていきたい」と抱負を語った。

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