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日本文化を生かす作品作りをめざす
- 2018/10/19
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千葉市緑区あすみが丘在住の小野北斗さん(32)。自宅兼工房で制作しているのはレジンウッドのアクセサリーだ。『レジンウッド工房かいめら』という名称について小野さんは、「レジンウッドは木と樹脂を結合させて作ったもののことで、僕はこう呼んでいます。制作者数は県内でも数名程度かと。カイメラというのはギリシャ神話に出てくる怪物の名前で、様々な動物が混ざり合っています。それが作品と似ている気がして」と話す。小野さんの制作するレジンウッドには木と樹脂、そして樹脂の中に埋め込まれた金属箔と3つの要素があるのだ。
小野さんが制作を始めたのは約1年半前から。「アメリカの大学で美術学部にいた時、映像制作や特殊メイクについて学びました。でも帰国して就職したのは販売の一般企業。やはり物を作りたいなという想いを捨てられず、知り合いに勧められたのは歯科技工士でした。専門学校にも行き資格を取得した」という小野さん。歯科技工士として一時就職もしたが、職場環境や仕事内容に悩み退職した。そんな時に出会ったのが『レジンウッド』だ。
海外で流行しているレジンウッドの指輪は、初めて見るアートだった。手先の器用さを生かした物づくりで、自分らしさを見つけたい。「とはいえ、本当に初めは手探りで、作品の木の種類や樹脂の結合方法など試行錯誤の連続」だったとか。
木材の加工もすべて手作業だったが、昨年末からは千葉そごう別館3階にあるアートギャラリーのレーザーカッター機を利用するようになり、パソコンで描いたデザインを切り出せるようになった。使用する木材も杉や桧、松など多くを試した。「一番扱いやすいのはオリーブの木ですね。杢目がはっきりしているので模様がとても綺麗です」。
作品はペンダントやブローチが多いものの、現在は友人のリクエストでトンボのネクタイピン制作に挑戦中。他にも、「日本らしく、そして僕だけにしか作れないものを仕上げたいです。簪や帯留めなど」という作品は、女性の心をがっちりと掴みそうな可愛らしさがある。
6月に長生郡長南町にある大谷家具製作所で開催されたイベントに初めて参加すると、来場者の反応は上々だった。「短い期間でリピートしてくれる方が数名いて嬉しかったです。まずはレジンウッドが何か、そして僕の工房名と名前を覚えてもらうところがスタート。いつか僕の作品が海外でも購入されることを目指し、目の前の課題に取り組みたい」と真摯に話す小野さん。「芸術は人の感情を動かしてこそ!」と意気込む彼は、これからも新たな作品づくりに挑む。作品や購入について詳細は問合せを。
問合せ 小野さん
Mail:lab.ono@yahoo.com
https://chimera.theshop.jp