零戦の墜落現場を探索し慰霊活動 『太平洋戦争』展は12月まで会期延長【睦沢町】

 1945年8月15日の終戦の日、連合国軍機と交戦し墜落したとみられる零戦の機銃が、今年1月、大多喜町で発見された。遺族の依頼を受けた有志の調査団が、6年の歳月をかけ墜落場所を突き止めたものだ。調査団のメンバーは、睦沢町文化財審議会委員で元自衛隊員の幸治昌秀さん(78)、同町立歴史民俗資料館学芸員の久野一郎さん(65)、山武市在住の真行寺重昭さん(54)と、神垣雅志さん(57)。幸治さんと真行寺さんは戦史研究家で、久野さんと共に、過去にも零戦の墜落地を特定し慰霊した実績がある。精密機械関連に知識が豊富な神垣さんは、途中から仲間に加わった。

機銃の発掘(睦沢町立歴史民俗資料館提供写真)

 静岡県出身の杉山光平上飛曹の遺族から、メンバーが電話を受けたのは2015年2月。綿密な調査により、その年のうちに杉山上飛曹が墜落死した場所は大多喜町と長南町のどちらかであるとわかった。また、もう1人の墜落地が不明の乗員は熊本県出身の増岡寅雄一飛曹と判明した。その後も調査団は現場周辺の聞き取りを丹念に重ね、休日は探索に明け暮れた。2019年5月、幸治さんが大多喜町で金属探知機を使い金属片を発見。翌年7月には終戦当日の墜落の様子を記した日記がみつかり、同12月、記されていた番地が金属片発見の地と一致することを確認。幸治さんの知人が重機の提供を快諾し、今年1月の発掘作業となった。作業1日目には機銃、2日目にはエンジン、合計3日半の作業で数千点の部品が回収された。人骨とみられるものも見つかり、地元警察がDNA鑑定を進めている。

幸治さん(前列中央)、神垣さん(後列左)、久野さん(右)

 今回発掘された零戦の機銃などの部品は現在、睦沢町立歴史民俗資料館開催の企画展『太平洋戦争』にて展示されている。好評につき会期が12月5日まで延長された。同展ポスターに使用した零戦の模型は真行寺さんの作。コロナ禍では調査や検証方法のアドバイスに徹した。「遺族の方の早く返して欲しいという願いが大きな力となりました」と、幸治さん。神垣さんは「76年前に戦ってくれた人がいて今の日本があります。今回の発掘は技術継承という意味でも意義深い」、久野さんは「76年以上行方不明の状況をどうにかしたい。零戦探索の長い旅はまだ終わっていません」と語る。終戦の日に長南町熊野(ゆや)の零戦墜落目撃情報などある方は、久野さんまで連絡を。

■問合せ
睦沢町立歴史民俗資料館
月曜休館 開館時間:9時~16時半 入館無料
・『太平洋戦争』展ギャラリートーク:9/18、10/16、11/13、12/4 各日13時半~
TEL.0475-44-0290

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