縄文時代のファッション、再流行?

 縄文時代、人々はファッションとして貝殻でアクセサリーを作り身につけていた。中でも大人気だったのがベンケイガイの貝輪。腕にはめやすい形状と大きさ、軽い、入手しやすいなどの理由があったと考えられている。
 7月26日、縄文時代のアクセサリー作りを体験しようと市原市埋蔵文化財調査センター主催『縄文の貝アクセサリーづくり』が行われ、小学生の親子35名が参加した。貝のアクセサリーは市内の貝塚からも多数見つかっており、その材料の貝は南房総の海から持ち込まれたものであることが判明している。そこで同種の貝、特にベンケイガイがたくさん打ち上げられる鴨川市の浜荻海岸へバスで向かった。
 海岸の砂浜に降り立つと、枯れた草木と共に打ち上げられたベンケイガイがあちらこちらに散らばっていた。炎天下にも負けず、参加者たちは貝拾いを楽しんだ。ペンダント用のタカラガイや繋げてブレスレットにする、白地に黒いまだら模様のアマオブネガイなどの小さな貝も拾い集めた。
 製作作業は鴨川市文化財センターで。道具は2種類の石とシカの角を使用。裏返したベンケイガイを手に持ち、貝の真中より少し上をハンマー代わりの石で数回叩くと膨らんだ部分がポコっと抜け落ちた。次に、砂の上に貝の表を上にして置き、シカの角で叩いて穴を大きくしていく。カチカチと貝を叩く音が部屋中に響き渡った。仕上げは水で濡らした砂っぽい石で穴の縁を研いで滑らかにする。ブレスレットやペンダントにするための紐を通す穴も、この砥石でひたすら擦り続ける。なかなか根気のいる作業だったが「全然大変じゃなかったよ」と元気な子どもたち。いくつも貝輪やペンダントを作り、嬉しそうに身につけていた。
 貝を拾う作業から仕上げまで、便利な道具などなかった縄文時代と同じ方法で行うアクセサリー作りは、その苦労が分かると共に実にワクワクする体験だった。


Warning: Attempt to read property "show_author" on bool in /home/clshop/cl-shop.com/public_html/wp-content/themes/opinion_190122/single.php on line 84

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1. 当ホームページは、2/17に新ホームページのオープン予定のため、情報掲載が1/31までとなります。 2/17までに開催するイベント等…
  2.  昭和を代表するスター「石原裕次郎」は今年、生誕90年。映画やドラマで大活躍し、歌手としてもヒット曲多数。誰からも愛された「裕ちゃん」の魅…
  3.  鉄道写真愛好家の皆さんへお知らせです。今年6月5日(木)~6月10日(火)に開催予定の『小湊鐵道を撮る仲間たち展』に写真を出展いただける…
  4.  今年は小湊鐵道開業100周年。これを記念し、アートによる地域づくりの拠点である市原湖畔美術館は、小湊鐵道とコラボプロジェクトを進行中。小…
  5.  成田山公園で毎年行われる冬のイベント「成田の梅まつり」。会場は成田山新勝寺大本堂の奥、16万5000平方メートルもの広大な公園。四季折々…
  6. 【写真】パキスタン・カラチの整備途中の農場で、働く青年たちと田中さん(前列右端)      36年間の市議会議員のあと、パキス…
  7.     ◆一席 記念日を遅れて祝い根にもたれ  一宮町 黒猫胡桃     ・老プランあまく見積り火の車  茂原市 道譯賢…
  8. 【写真】講演する家田さん      昨年12月、市原市市民会館で開催された『令和6年度市原市人権・男女共同参画フォーラム』。男…
  9. 【写真】はにわ博物館展示室の姫塚埴輪        昨年8月、千葉県殿塚古墳・姫塚古墳出土埴輪(総数48点うち殿塚古墳30点、…
  10. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 当ホームページは、2/17に新ホームページのオープン予定のため、情報掲載が1/31までとなります。 2/17までに開催するイベント等…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る