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早い、旨い、栄養たっぷりの缶詰の魅力に迫る
- 2016/7/1
- シティライフ掲載記事, 市原版

5月21日(土)、市原市勤労会館(YOUホール)で消費者月間記念行事『消費者のつどい いちはら2016』が開催された。昭和43年5月30日に消費者基本法が制定されたことを記念して、毎年5月は消費者月間とされており、市原市では消費者が自主性を持って健全な消費者生活を営むことができるよう、消費者意識の高揚及び消費者活動の推進を図るため毎年講演会を開催している。第45回目となる今年の講師は都内在住の缶詰博士、黒川勇人さん(49)。平成16年から世界の缶詰を紹介する『缶詰ブログ』を執筆し、現在は日本缶詰協会公認の博士として様々なテレビ出演や執筆活動で活躍中だ。
会場に訪れた約130名は約2時間、主にスライドを見ながら黒川さんの『缶詰には缶動(かんどう)が詰まっている!』という話に終始耳を済ませた。かつてはサバの味噌煮、やきとり缶詰など酒のおつまみとなる商品が良く売れていた。しかし、近年はレトルト食品や冷凍食品の多様化により、ツナの缶詰しか食べたことがないという人もいるだろう。
黒川さんは、「そんな中、昨年から注目されているのがグルメ缶詰。一缶300円ほどで食事の一品として成り立ちます。一番トレンディーなのは、スペイン料理であるアヒージョです」と紹介。他、ニシンの缶詰やホタテのはま焼きなどを使用して作る、手軽な絶品料理がスライドで紹介されると、参加者からは「見ていると、お腹が減っちゃう」との声が上がった。
自宅に約4千もの缶詰を所有しているという黒川さんは、その魅力を「なにより栄養がたくさん入っているのに、余計な添加物は含まれていません。加熱殺菌されているので保存期間も長いです。魚は骨まで入っているので、家で普通に焼いて食べるよりカルシウムは17倍もあるんです」と強調する。
さらに講演では、モルディブと日本の意外な繋がりも披露された。インド洋に浮かぶ島国のモルディブを、日本はかねてより支援してきた。島の周囲に防波堤を造り、経済効果が上がるようにと魚の豊富さを生かせるツナ缶工場を建設。結果、スマトラ沖地震でモルディブの首都を守った防波堤。東日本大震災を知った彼らは地震発生から36時間で4千5百万の義援金を集め、その後68万の缶詰を被災地へ送り、日本を支援してくれた。
「缶詰が呼んだ感動です」と話しながら涙ぐむ黒川さんは、おいしい缶詰の食べ方も紹介。「缶を開け皿に移してレンジでチン、これが一番簡単。しかし、一度湯を沸かしてから開封せずに缶詰を3分湯せんしてください。金属なので熱伝導率は完璧、より美味しいですよ」と絶賛。会場からは、「コンビーフの缶詰はなんで台形?」、「子どもが美味しく楽しめる缶詰は?」など最後まで多くの質問が寄せられた。