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季節のスケッチ
- 2017/1/27
- シティライフ掲載記事, 市原版

俳画と文 松下佳紀
私が初めて猪を見たのは三年ほど前、近所の山道での出会い頭だ。驚いた私は棒立ちだったが、彼は凄い勢いで逃走し一瞬にして道から消えた。褐色の野獣は意外に臆病だった▼その後、当地では猪が頻繁に出没、今や田畑を荒らすばかりか住宅地を徘徊するなど危険な事態を呈している▼それならば、お命頂戴というのが当節流行?の野生鳥獣肉料理のジビエだ。私も何度かそれを食したが、野生豚の精力を吸収し、俄然体力がついたような気分になったものだ▼しかしジビエの専門店は少なく、季節も限定されるなど猪肉の流通が不安定だから常に料理が提供されるとは限らない▼さてはて、檻にも罠にもかからぬ繁殖力旺盛な猪、我々は今後どうしたらいいのだろう?
●松下佳紀
昭和15年市川市生。東洋美術夜間グラフィックデザイン科卒。昭和39年新宿画廊で第1回個展。6カ月間の自転車日本1周スケッチ旅行の後、各地で個展、2人展、グループ展などを開催。イラストレーション、子どもの絵本、オリジナル俳画、陶芸などを手がける画家。