道や線路に人生のイメージを重ねて

(写真↑ 新国立美術館での第一美術協会展に出展した作品)

 市内上高根に住む神山節子さん(70)は、油絵を始めて約20年。第一美術協会に所属し、三和コミュニティセンターの絵画サークル・一彩会と自宅で、主に市原市内の風景を描いている。先月、国分寺台にある市原市民ネットワーク・アートギャラリーで個展を開催した。「絵を始めたのは、何か一つくらい趣味を持とう、と思ったことがきっかけ。仕事の合間、夜にできるものを探して、自宅から近い三和コミュニティセンターに電話をしました。絵は子どもの頃から好きでしたし、自宅でできると選んで。今になると、年齢など関係なくできるので良かったと思います」
 続けてこられたのは、一彩会の和やかでファミリー的な雰囲気のおかげと言う。「講師の高橋光夫先生に出会えたことが大きかったですね。高橋先生は第一美術協会評議員で日本美術家連盟会員。昨年には藍綬褒章も受賞しています。私の入会時のメンバーは5~6名で、今でも続けているのは私だけになってしまいましたが、雰囲気は変わらずアットホーム。ヘタでも長く続ければ何か表現できるようになりますから、楽しく描いてきたのが良かったのだと思います」と神山さん。
 自宅には、これまでの大小様々な作品が飾られ、置かれている。そのモチーフは道とコスモス。特に道は多く、「漠然と道=人生と重ねているのかもしれません」と話す。「曲がっている道をよく描きます。行き先がある、という意味も投影しているのだと思います。光の入れ方も大事で、道の先を明るく表現するのが好きですね。これも未来が明るい、というイメージです」。描く風景は外に出かけて探す。ほとんどがすぐ行ける市内だが、いくらでも絵になる場所があるのだと言う。「風景を見たときにいいな!と思うと、それを描いた絵も良いものになります。想像力である意味手を加えて、よりいい風景に再構成する感じです。邪魔な電線を描かなかったり、山の色合いを増やしたり明るくしたり。同じモチーフを描くことによって、様々な表現も学べます」
 現在は、6月下旬から五井で開催される総美展用に、小湊線上総大久保駅の近く、線路の風景を20号の作品として描いている。立体的にカーブした線路、背景の山の配置がとても良くて、モチーフにしたそうだ。その次は夏の県立美術館で行われる第一美術協会の展示会。こちらも小湊線の線路のある月崎の風景で仕上げたいとのこと。「私にとって、絵を描くのは、精神的エネルギーの補充です。次は何を描こうかと考えるのも、風景を探しにいくのも楽しいので、無理せず続けたいと思っています」

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1. 当ホームページは、2/17に新ホームページのオープン予定のため、情報掲載が1/31までとなります。 2/17までに開催するイベント等…
  2.  昭和を代表するスター「石原裕次郎」は今年、生誕90年。映画やドラマで大活躍し、歌手としてもヒット曲多数。誰からも愛された「裕ちゃん」の魅…
  3.  鉄道写真愛好家の皆さんへお知らせです。今年6月5日(木)~6月10日(火)に開催予定の『小湊鐵道を撮る仲間たち展』に写真を出展いただける…
  4.  今年は小湊鐵道開業100周年。これを記念し、アートによる地域づくりの拠点である市原湖畔美術館は、小湊鐵道とコラボプロジェクトを進行中。小…
  5.  成田山公園で毎年行われる冬のイベント「成田の梅まつり」。会場は成田山新勝寺大本堂の奥、16万5000平方メートルもの広大な公園。四季折々…
  6. 【写真】パキスタン・カラチの整備途中の農場で、働く青年たちと田中さん(前列右端)      36年間の市議会議員のあと、パキス…
  7.     ◆一席 記念日を遅れて祝い根にもたれ  一宮町 黒猫胡桃     ・老プランあまく見積り火の車  茂原市 道譯賢…
  8. 【写真】講演する家田さん      昨年12月、市原市市民会館で開催された『令和6年度市原市人権・男女共同参画フォーラム』。男…
  9. 【写真】はにわ博物館展示室の姫塚埴輪        昨年8月、千葉県殿塚古墳・姫塚古墳出土埴輪(総数48点うち殿塚古墳30点、…
  10. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 当ホームページは、2/17に新ホームページのオープン予定のため、情報掲載が1/31までとなります。 2/17までに開催するイベント等…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る