栽培施設は本州最大 夏バテ防止、冷え性予防に効果的なミョウガ

『まんだのファーム』

 猛暑続きの今夏。食欲が落ちて夏バテしてしまったり、クーラーの効いた部屋や車内で身体が冷え切ってしまい体調を崩される方、多いのでは?そこで注目したい食材が最近メディアでも取り上げられることの多いミョウガ。野菜としては、けしてメジャーではないけれど、定番の酢漬けや薬味という脇役だけでなく炒め物や揚げ物などメインの食材としても利用されることが多くなった。
 その理由は何と言ってもヘルシーな食材と見直されたから。ミョウガはショウガ科に属し、独特の香りと色鮮やかな紅色が好まれ、特に蕎麦や素麺の薬味として食されてきた。ひと昔前まで「食べると物忘れがひどくなる」という俗信もあったようだが、現在では栄養学的にそのような成分は含まれていないし、学術的な根拠もないことが明らかになっている。
 逆に、低カロリーな上、ミョウガに含まれる香り成分アルファピネンや辛味成分ミョウガジアールには血流を促す作用があり、血行が良くなることから、冷えの緩和に役立つと考えられている。また、食欲増進の効用もあるとされ、夏バテ防止によいという。
 更に解熱解毒、風邪の緩和などの効用も期待でき、昨今の薬膳ブームも追い風になり、近年、夏に限らず需要が伸びてきた野菜でもある。このように改めて関心が寄せられているミョウガを専門に大規模栽培をしているのが、市原市南部、万田野にある『株式会社まんだのファーム』だ。

 まんだのファームは、隣接する廃棄物処理施設『市原ニューエナジー』より廃棄物を焼却処理した時に発生する余熱を利用し作られた温水を使った、本州最大規模のミョウガ栽培施設である。
 同ファームには栽培棟12棟と育苗棟1棟の約1ヘクタールの広大な温室が建ち並ぶ。元々は杉田建材株式会社(杉田一夫代表取締役)の農業部門として、2007年からミョウガ栽培を行っていた。現在、まんだのファームの所長を務めるのは、杉田一夫さんの長男である浩康さん。杉田所長は「生産も軌道に乗った2年前の11月、分社化して株式会社まんだのファームとなりました。生産量を増やし、販路の開拓をして、まんだのみょうがの素晴らしさを知ってもらうために所長に就任したのがその頃です」と話す。
 栽培当初の11年前から現場を任されていた鈴木一郎さんは当時を振り返り、「温水を利用しての栽培ということで、トマトなど他にも色々候補は挙がったけれど、年間安定して販売できるミョウガに決まりました。生産サイクルとしては11月から8月までが収穫・出荷期間で、9月10月が生育期間です。分社化したことで地元スーパーさんとの取引もするようになり、消費者の皆さんの声もきくようになったので、ご要望に応えて、ゆくゆくは栽培量を増やして9月10月にも出荷できるようにしたいですね」とのこと。

大きく色鮮やかでエグ味なし

 地元ラジオ局でも「サラダや浅漬け、ピクルス、野菜スティック、焼きそばやチャーハンなどにもオススメ。みずみずしく、シャキシャキとした食感、爽やかな香り、辛味やエグ味がなく、ミョウガの常識が変わるほど」と評価された『まんだのみょうが』。
 今回、生産現場である温室へ案内していただいた。一歩、温室に足を踏み入れると、驚くのがミョウガの丈の高さ!優に2メートルはある。青々としたミョウガの葉が茂り、このミョウガの特徴である大きさと、美しい鮮やかな紅色の蕾に目を見張る。
 栽培をスタートさせた頃には年間収穫量が30トンだったのが、3年前から60トンと倍増。溶液の調合や日射量の調節などを重ねてきた結果と、従業員の皆さんの作業の効率化が進んだためだとか。
 温室の中で作業するのは社員を除き、全員が20代から70代の女性。10数名いるパート従業員で、そのほとんどが加茂地区や近隣の君津市から通っている。パート自身が好きな時間にシフトを組めるということで子どものいる人や介護で規則的に働けない人たちでも自由に働けるという。増産を目指しているので、随時、パートを募集中。
 生まれも育ちも万田野の杉田所長は現在も自然豊かな万田野の地で、両親、奥様、4人の娘さんたちと暮らしている。幼い娘さんたちはミョウガをあまり食べないと苦笑するが、「新たな市原市の特産品になったら嬉しいですね」と語る。
 『まんだのみょうが』は市内のスーパー『せんどう』、『スーパーガッツ』、『T☆MART』などで販売している。是非、一度ご賞味あれ。

問合せ まんだのファーム
TEL 0436・96・2800

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