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まちづくりに尽力 国土交通大臣表彰
- 2018/8/17
- シティライフ掲載記事, 市原版

6月15日、東京のすまい・るホールにて行われた「まちづくり功労者国土交通大臣表彰」で、姉崎の藤田明男さん(84)が表彰された。昭和47年に始まり、昨年9月に終了した姉崎駅前土地区画整理事業は、区域内の土地権利者を含め10名による審議会を設置、藤田さんは第1期から審議委員、副会長を経て、平成元年からの30年間、審議会会長を務めた。毎年、国土交通省が実施する表彰式は、魅力あるまちづくりの推進に著しい功績をたてた団体や個人を対象とし、今年は27団体と3名の個人が選ばれている。藤田さんは整理事業の推進に長年尽力、貢献したことが評価された。「第1期当時の役員で、今も生きているのは私だけ。45年以上も継続した事業で、最初から最後まで携わる人はなかなかいない、と市職員の方にも言われました。それもあって、市と県からも功労賞などをいただき、国にも推薦されたようです」と藤田さん。
同区画整理事業は、姉崎駅東口周辺の密集した市街地を再配置し、道路や公園などを新設。区域内での家屋移転は220戸、「常に問題が山積している状態だった」と藤田さんは振り返る。「それぞれ家の事情もあるし、様々な意見もある。私たちは皆さんの話を聞き調整・確認し、審議会でまとめて市に返答する役割。責務の重さを感じていましたね」。昭和54年には市議にも当選し、市議会で行政と町とのパイプ役として意見調整を担い、事業の進捗を後押しするため奔走した。
なかでも大掛かりだったのは、区域中心部にある創建500年以上の妙経寺と約2300基の墓地の移動。無縁墓や先祖代々の遺骨も多数あり、専門業者が手作業で数年かけて改葬した。藤田さんも檀家であり、議員退職後、平成4年から整備対策委員会役員として、檀家への説明会などを一手に引き受けた。審議会会長としては、年数が経って代替りした家族にあらためて移転説明をしに個別訪問するなど、丁寧な対応を心がけたという。「平成19年には駅前道路が開通し、翌年に町名変更も決定。変化していく町に、久しぶりに戻って来た人も驚いていましたよ。今後はJR3駅周辺の活性化など、まちづくりに結びつけ活かして欲しいし、まさにこれからが楽しみですね」と、地域の発展に期待している。