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アーティストたちのメキシコ体験を解き明かす展覧会
- 2021/8/19
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メヒコの衝撃─メキシコ体験は日本の根底を揺さぶる
9月26日(日)まで 市原湖畔美術館
メキシコのスペインによる征服から500年、独立から200年にあたる今年。市原湖畔美術館では9月26日(日)まで「メヒコの衝撃─メキシコ体験は日本の根底を揺さぶる」を開催中。

河原温 カスパー・ケーニッヒ氏に宛てた絵葉書、1968年5月10日、《I GOT UP》(1968-79)より©One Million Years Foundation/
千葉県は、日本とメキシコの交流が始まった地として知られる。1609年、スペイン統治下にあったフィリピンからメキシコに向かう帆船サン・フランシスコ号が御宿沖で座礁し、300人以上の遭難者を地元の住民たちが救出。大多喜城主・本多忠朝が手厚く保護し、徳川家康のはからいで無事に帰国させたという。
本展は、日本とメキシコの交流の歴史をひもときつつ、メキシコの歴史・風土・人・芸術に衝撃を受け、自らの表現に向きあってきたアーティストに焦点を当てている。メキシコの何が彼らを惹きつけたのか、そのメキシコ体験を多角的に解き明かそうとするものだ。7月10日(土)に行われたオープニングセレモニーでは、駐メキシコ大使も臨席。御宿町在住で「日本メキシコ友好文化大使」であるヴァイオリニスト・黒沼ユリ子さんの交流体験の講話や、出展アーティストのライブペインティングも披露された。

深沢幸雄《アステカの旅》1969年、市原湖畔美術館蔵
紹介されるアーティストは8人。革命直後のメキシコに渡り、民衆の芸術を求める壁画運動に感銘を受け、帰国後も反骨の画家として生きた北川民次。1955年、東京国立博物館で開催されたメキシコ美術展に衝撃を受け、メキシコ滞在を経て新たな表現へと向かった利根山光人、河原温。自らのうちに「メキシコ的なるもの」を発見し、巨大壁画「明日の神話」を描いた岡本太郎。版画指導に招聘されたメキシコでその作風を一変させた戦後銅版画の第一人者・深沢幸雄。メキシコ民衆が生きる世界に妖怪を幻視し、膨大な数の仮面をコレクションした水木しげる。「死者の日」の祭りに魅了され、強烈な極彩色で魔法画を描き続ける絵本作家・スズキコージ。映画『セノーテ』で現世と黄泉の世界を結ぶと信じられるマヤの洞窟泉をめぐる神秘の旅を撮りあげた小田香。

スズキコージ《死者の日》2000年
関連イベントも開催される。ギャラリートークはワークシートを使いながら解説する子供向けもあり、イベント「メヒコ・デイ」では、メキシコの物産や音楽を紹介、ワークショップなどが行われる。ぜひ家族でメキシコ文化に触れてみては。
●メヒコの衝撃─メキシコ体験は日本の根底を揺さぶる
日時:9月26日(日)まで 平日10時~17時、(土)と(祝)前日9時半~19時、(日)(祝)9時半~18時
休館日:毎週(月)、(祝)の場合は翌平日
料金:一般1000円、大高生・65歳以上800円、中学生以下無料
ギャラリートーク:予約なし、どなたでも 30分程度 8/28(土)10時~(for KIDS)と15時~ 9月もあり
イベント メヒコ・デイ:8/28(土)
問合せ:市原湖畔美術館 Tel.0436・98・1525