ふるさとビジター館 自然探訪~実はハイスペック・昆虫のケラ~

 夜、耳を澄ますと「ジー」と鳴く声が聞こえます。その正体は土の中にいるケラです。

 ケラは「手のひらを太陽に」の歌詞に登場し、誰もがその名を口にしたことがあるかと思います。また、お金がなくなったときの「オケラになる」とか、何の役にも立たない存在を意味する「虫ケラ」という言葉もありますが、これはケラが良くも悪くも、人にとっては何も役に立たないことが由来とされているそうです。昔から身近にいるケラの小さな体や動作のかわいらしさも、人々の心を掴んで歌や言葉になってきたのかもしれませんね。

 そんなケラですが、実は地中、陸上、水、空の全てを移動できるハイスペックな昆虫なのです。モグラのような立派な前脚で土を掘り地中を自由自在に動く、陸上を早く歩く、羽があり空を飛ぶ、体の毛に撥水性があり水に沈まず泳ぐことができる、と総合力はバツグンです。

 ケラは、湿った場所、特に田んぼなどの環境を好み、一生のほとんどを地中で過ごしているので、姿を見かけることはなかなかありません。さらに近年、田んぼなどが減少している都市部では、ケラの生息数も減少しつつあるとのことです。

 パートナーを探す春~夏にかけての夜、繁殖に適した場所や、街灯のまわりを探してみると、飛来するケラに出会えることがあるかもしれません。

(ナチュラリストネット/時田良洋)

 

◇ナチュラリストネット/自然を愛する仲間の集まりです。豊かな自然環境をいつまでも永く残したいと活動しています。 Tel.080・5183・9684(野坂)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1. 当ホームページは、2/17に新ホームページのオープン予定のため、情報掲載が1/31までとなります。 2/17までに開催するイベント等…
  2.  昭和を代表するスター「石原裕次郎」は今年、生誕90年。映画やドラマで大活躍し、歌手としてもヒット曲多数。誰からも愛された「裕ちゃん」の魅…
  3.  鉄道写真愛好家の皆さんへお知らせです。今年6月5日(木)~6月10日(火)に開催予定の『小湊鐵道を撮る仲間たち展』に写真を出展いただける…
  4.  今年は小湊鐵道開業100周年。これを記念し、アートによる地域づくりの拠点である市原湖畔美術館は、小湊鐵道とコラボプロジェクトを進行中。小…
  5.  成田山公園で毎年行われる冬のイベント「成田の梅まつり」。会場は成田山新勝寺大本堂の奥、16万5000平方メートルもの広大な公園。四季折々…
  6. 【写真】パキスタン・カラチの整備途中の農場で、働く青年たちと田中さん(前列右端)      36年間の市議会議員のあと、パキス…
  7.     ◆一席 記念日を遅れて祝い根にもたれ  一宮町 黒猫胡桃     ・老プランあまく見積り火の車  茂原市 道譯賢…
  8. 【写真】講演する家田さん      昨年12月、市原市市民会館で開催された『令和6年度市原市人権・男女共同参画フォーラム』。男…
  9. 【写真】はにわ博物館展示室の姫塚埴輪        昨年8月、千葉県殿塚古墳・姫塚古墳出土埴輪(総数48点うち殿塚古墳30点、…
  10. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 当ホームページは、2/17に新ホームページのオープン予定のため、情報掲載が1/31までとなります。 2/17までに開催するイベント等…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る