『いきもの いっぱい 田んぼ』で完全無農薬の米栽培に成功!

 『いきもの いっぱい 田んぼ』で完全無農薬の米栽培に成功!

有機農産物やオーガニック。環境問題を考慮した食物の販売に注目が集まるようになって随分経つ。田畑の肥料を化学合成農薬や化学肥料に頼らず、有機肥料など土壌の持つ力を活かして栽培する農法である。
茂原市真名の田んぼでは、有機肥料さえも使わずに土壌改良のための堆肥だけを使った、自然農法の御米を作るプロジェクトが動き出していた。その名も『いきもの いっぱい 田んぼ』。田園風景のまだ多く残る土地で2012年初めて御米の収穫に成功した米本友美さんの笑顔がはじける。「プロジェクトの代表は株式会社 日本ライフサポートの高橋博太郎社長。奥様の司子さんの発案により、現代の生物多様性や伝統文化の保護問題への一環として始まった。私は田んぼ作りから参加している賛同者。ビオトープ型水田を利用した完全無農薬の御米を、そしてこの活動をもっと多くの人に知ってもらえたら嬉しい」、そう話しながら米本さんは田んぼを見つめる。
ビオトープとは生物群集の生息空間を表す言葉であり、生物が住みやすいように環境を改変することも意味する。つまり、田んぼの中で生き物が自然に生きられる環境を整えながら稲作りをするという画期的な活動なのである。プロジェクトは2011年6月から始まった。真名の一角である耕作放棄地(8年間)を田んぼとして復活。湧水100%という現代では大変珍しい水源により成り立っている。
といっても、米本さんは農業の経験が豊富だったわけではない。土地の主である道脇真生さんと共に大奮闘。稲作りの玄人に話も聞きに行った。専門用語ひとつ理解するのに戸惑い、手作業で行う苗の植え方に失敗もした。「イベントがある度に、いきもの調査をする。夏にはアメリカザリガニが大繁殖をして、近くにザリガニ用ビオトープを作る事に。ただ、無農薬の水田を復活させたことですでに絶滅危惧種が8種類もこの田んぼに帰ってきたのは喜ばしいこと」と道脇さんも嬉しそうだ。
「2月に種籾を開始して塩水に浸し、60度のお湯に10分、40度のぬるま湯で一晩消毒。時期が早くて発芽するのに2週間かかった時は、心配で仕方がなかった。季節を感じながらの1年があっという間だった」と話す米本さんに、「収穫作業もイベント。御米作りの他にも20メートルの生竹流しそうめんなど、里山ならではの企画に毎回4、50人が参加している。昨年収穫が出来た御米は完売。地域に根ざしたみんなに触れてもらえる田んぼにしていきたい」と道脇さんが続ける。2人の軽快な掛け合いが、稲作りを通して築いた1年の偉大さを物語る。
現在プロジェクトでは、群馬・山口・和歌山・長野など全国に6つの田んぼを展開しているが、茂原市は記念すべきひとつ目の田んぼ。2カ月に1度、田んぼでは季節に合わせたイベントを行っており、参加者を募集中。


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