歩いて、学んで、食べて… 楽しみどころ満載!

 5月9日、茂原市豊岡福祉センター主催の『豊岡ウオーキング教室~豊岡地区のロマンと伝説を訪ねる』が行われた。心地よい風が吹く薄曇りの天気は絶好のウオーキング日和。25名の参加者は時速4キロ強という速めのスピードで約10キロの行程を完歩した。背筋をピンと伸ばして歩くのは講師、『日本ウオーキング協会』公認指導員の安嶋健さん。「血管の老化は、歩いて血流をよくすることで予防できる。有酸素運動は脳の刺激にもなる。仲良く楽しく歩いて健康の貯金を増やしましょう」と冒頭で話した。
 念入りにストレッチをすませて出発。センターを出て県道138号線を北上し、円立寺墓地に立つ大きな菩提樹を目指す。この菩提樹の実で肌をこすると、不思議なことにいぼがコロッととれたという言い伝えがあり「いぼ神様」との別名もあったとか。茂原市指定天然記念物となっている。
 続いて豊岡神社と、御蔵芝にある熊野神社を参拝。建立200年の石の鳥居をくぐり巨木に囲まれた参道の先に5つの祠を持つ豊岡神社と、イザナギノミコト、イザナミノミコトの二神を祀る熊野神社。どちらも由緒のある神社だ。熊野神社の手洗い器には3本足の烏の彫刻が施されている。神武天皇東征時に先導したと伝えられる八咫烏で、熊野神社の神使であったとされている。
 最後に向かったのは萱場にある煎餅工場直売店『あられちゃん家』。入り口にある、いすみ鉄道の黄色い車両が目印だ。定番のひねり揚げや歌舞伎揚げのほか、カレー味、手羽先味、チーズ味など多種多様の煎餅が所狭しと並べられている。そのほとんどが試食できるとあって参加者は大喜び。だが、お土産を買いすぎて帰りの足取りが重くなってしまった人も。
 復路は、地図に載っていない道なき道も通りながら帰途に着いた。今回は、主にのどかな田んぼ脇の平坦な道を、同センターのある粟生野から御蔵芝、萱場、弓渡と歩いた。これらの地名は旧豊岡村(明治22年に誕生)の大字であり、アワがよく獲れた粟生野、農産物を収納する倉が置かれた御蔵芝、カヤが多く生えていた萱場、源頼朝が千葉常胤に弓を渡したとされる弓渡と、それぞれ由来がある。豊岡という名も、昔から農産物がたくさん実る豊かな地であったことを表している。
 「歩くだけではなく、地域の歴史も知ることができてよかった」と参加者。おしゃべりをしたり歌ったり、終始明るい雰囲気の皆さん。「またみんなで歩きたいわね」と満面の笑みで教室は終了した。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1. 当ホームページは、2/17に新ホームページのオープン予定のため、情報掲載が1/31までとなります。 2/17までに開催するイベント等…
  2.  昭和を代表するスター「石原裕次郎」は今年、生誕90年。映画やドラマで大活躍し、歌手としてもヒット曲多数。誰からも愛された「裕ちゃん」の魅…
  3.  鉄道写真愛好家の皆さんへお知らせです。今年6月5日(木)~6月10日(火)に開催予定の『小湊鐵道を撮る仲間たち展』に写真を出展いただける…
  4.  今年は小湊鐵道開業100周年。これを記念し、アートによる地域づくりの拠点である市原湖畔美術館は、小湊鐵道とコラボプロジェクトを進行中。小…
  5.  成田山公園で毎年行われる冬のイベント「成田の梅まつり」。会場は成田山新勝寺大本堂の奥、16万5000平方メートルもの広大な公園。四季折々…
  6. 【写真】パキスタン・カラチの整備途中の農場で、働く青年たちと田中さん(前列右端)      36年間の市議会議員のあと、パキス…
  7.     ◆一席 記念日を遅れて祝い根にもたれ  一宮町 黒猫胡桃     ・老プランあまく見積り火の車  茂原市 道譯賢…
  8. 【写真】講演する家田さん      昨年12月、市原市市民会館で開催された『令和6年度市原市人権・男女共同参画フォーラム』。男…
  9. 【写真】はにわ博物館展示室の姫塚埴輪        昨年8月、千葉県殿塚古墳・姫塚古墳出土埴輪(総数48点うち殿塚古墳30点、…
  10. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 当ホームページは、2/17に新ホームページのオープン予定のため、情報掲載が1/31までとなります。 2/17までに開催するイベント等…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る