季節のスケッチ
- 2013/3/22
- 市原版
季節のスケッチ 野遊びの我ら直立歩行族
俳画と文 松下佳紀
春の季語「野遊び」とは、寒い冬から解放された我々が春の到来と共に野山に出かけ遊び興じることだ。春風は心地よく、自然の中を歩くだけで楽しい。健康のため歩け歩けという昨今だが、ふと思う。我々の大祖先、猿人は直立二足歩行、両手を使うことで知能が発達し、万物の霊長となった。様々な道具や機械を駆使し、便利になったが逆に忙しくなった。車に乗って歩かなくなった。知能抜群の直立歩行族の行為にはとかく矛盾が多い。その最たるものは核兵器と原発だ。今やこの危険物は取り扱い次第で人類を滅亡に至らせる恐怖の存在だ。この恐怖を一刻も早く除去するために猿人の末裔である我々はこの難題に…と野遊びらしからぬことを考えていたら…夢から覚めた。