少年更正に音楽の力を

少年更正に音楽の力を

 千葉市と市原市で合唱団を創設、指揮をとる他、多岐にわたり音楽活動に貢献している市内在住の吉住忠義さん(71)。刑事施設内で悩み事相談にのったりする篤志面接委員会会長でもあり、少年更生施設『市原学園』で音楽指導と面接委員を務めて30年になる。
 同学園で、毎年7月末に地域の人を招待して行われる納涼祭。プログラムのひとつに、少年たちが練習した成果を発表する合唱がある。歌うのは合唱曲の他、EXILEの曲など。非行に走った彼らが、教官の指導の下、仲間と共に目標に向かって一生懸命に頑張る。吉住さんは「感激しますよ」と振り返る。収容期間は長くても6カ月程度であり、短い時間で集中して歌を覚えなくてはならない。だが、24時間、定められた規則遵守の中での生活は私語が制限されているので、思い切り声を出せるのは歌うときだけ。「ストレスを音楽で発散させてあげたい」と吉住さん。
 また、集団生活の一定のルールに基づく規律正しい生活に慣れた少年たちはとてもきちんとした挨拶をするという。吉住さんがいつも少年たちに話していることがある。「合唱は、人の声を聞いて、自分の声を合わせる。それは一般社会と同じ。人の意見を聞くことが大事なんだよ」と。
 市原市市制施行30周年記念行事として、吉住さんの呼び掛けで同学園の音楽クラブ員12人が、約300人の市民とともに市民会館のステージでベートーヴェンの『第九』を合唱したことがある。満場の聴衆から喝采を浴び、誇らしげに胸を張った少年たちのことは忘れられない。「発表の場に出してあげたい。外と同じ体験をさせてあげたい」楽しい時間が今後の人生の希望となることを信じて、いつかまた、近いうちに実現できることを吉住さんは願っている。
 

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  コロナ禍で中止していた観音寺(鴨川市)の『ひなまつり』が3年ぶりに開催される。慶応元年(1865年)、現在の鴨川市に生まれ日本のためにと自…
  2. 【写真】(前列左から)会長・後藤さん、講師・片岡さん、     (後列左から)会員の常盤さん、後藤さん、市原さん、中村さん …
  3. 【写真】工房の庭にて。小原さん(左)、齊藤さん  睦沢町下之郷に2人の陶芸家が住んでいる。『夢楽工房』を共同で主宰する齊藤…
  4.  寒い冬の真っ只中、皆さんはどうお過ごしでしょうか?家にこもりがちで、外に出ない方も多いかもしれません。こんな時こそ、ウインタースポーツとし…
  5.  秋晴れのなかの11月6日、茂原公園の広場をスタートに『第19回千葉県ウォークラリー大会茂原会場』が開催された。毎年開かれているこの大会も、…
  6.  ツグミという野鳥をご存じの方も多いだろう。体長23~25㎝、白い眉斑で、頭から背面は黒褐色。羽が茶褐色で、胸から腹にかけてはうろこ状の黒い…
  7.  小湊鐵道光風台駅から、西方に歩いて15分程にある鶴峯八幡宮。鎌倉時代・建治3年(1277)に本宮大分県の宇佐八幡宮より御分霊を戴き、お祀り…
  8.  昨年も、『こでまりの夢』をお読みいただきありがとうございました。昨年は17年間のコラムをまとめ、出版することが出来ました。これもひとえに、…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  コロナ禍で中止していた観音寺(鴨川市)の『ひなまつり』が3年ぶりに開催される。慶応元年(1865年)、現在の鴨川市に生まれ日本のためにと自…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る