房総往来
- 2013/9/13
- 市原版

房総往来
山里 吾郎
今年の夏は記録的な暑さだった。猛暑、酷暑、炎暑…。いろいろ表現はされるが、年を追うごとに過酷さを加えていることに間違いはない。温暖化はすでに退っ引きならないところまできているのか、いつまでこの地球はもつのだろうか、不安は深刻の度合いを増すばかりだ▼前置きはさておき余りの暑さから何とか逃避したい、と避暑地の代名詞でもある軽井沢に出かけた。「房総往来」はまだ4回目だが、早くも県外紀行になることをまずはお許し願いたい。それほど今夏は暑かった▼朝5時の出発。息子の運転で京葉道から首都高、東京外環、関越道、上信越道を経由して午前10時過ぎには目的地の北軽井沢へ到着。昨日までの暑さが嘘のような涼気が全身を包み、緑の中に散在する白樺の木が一層の涼感を醸し出す▼早速、二人の孫を連れてキッズランドへ。散々、動き回る子供たちと懸命に興じるが不思議と汗をかかない。名物のニジマス釣りにも挑戦、釣果はともかく触れた水の冷たさに驚く。夕食のあと温泉に浸かり、長旅の疲れも手伝いすぐにベッドへ。昨日までの熱帯夜が嘘のような“寒さ”に思わず冷房のスイッチを切った▼気持ち良く目覚めた翌朝、しっとりと朝靄に包まれた自然林は雨に濡れている。この夏、全国的に多発した雷雨ではない。細かい雨のすだれ、山里を包み込む秋雨だ。このあとの信州紀行は省かせてもらうとして夜遅く市原に戻ると嘘のよう熱帯夜に逆戻り。「地球は大丈夫だろうか?」。避暑地の素晴らしさは皮肉なことに温暖化の不安を増幅させる結果に…。
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