『いつかにがみがおいしくなるかな』

『いつかにがみがおいしくなるかな』
全国作文コンクール 優秀賞受賞

 市原市立ちはら台桜小学校3年生の鶴岡杏さんが素朴な疑問について素直な気持ちを綴った作文が読売新聞社主催『第63回全国小・中学校作文コンクール』で優秀賞を受賞した。鶴岡さんは、受賞について「えっ、うそでしょ?と思いました」と嬉しそうに話した。
 今年の夏休み、一番印象に残った出来事は瀬又に住む祖母が作るゴーヤの苦い味だった。「口がまがりそうだった」と文中で表現している。やがて、祖母がゴーヤを作り始めた理由がその栄養効果にあったと知る。総合学習『やさいのひみつを知ろう』の授業でサツマイモの栄養について調べたことがあり、野菜の栄養価についてはちょっとした知識があった。血圧の高い祖父のためにゴーヤを作ったという祖母の優しい気持ちを聞いて、鶴岡さんも父に長生きしてもらうためゴーヤ料理を作ることに。パソコンで作り方を調べて一生懸命に作ったゴーヤチャンプルー。「お父さんは笑いながら、おいしいよと言ってくれた」が、自分が食べると「にがっ」という思いは変わらなかったそうだ。「なぜ大人は、ふつうの顔をしてゴーヤを食べられるのだろう」不思議に思う気持ちが作文によく表れている。「いつかこの苦みがおいしく感じて好きになれるといいな」との思いから給食のゴーヤチップを口にするなどの挑戦をし、毎夏祖母からゴーヤをもらって食べてみることに決めたそうだ。
 思いついたことを次々とメモに書きとめてからそれらを順に並べ、文章を組み立てたという。生き生きとした文章からは、どこの家庭にでもあるような日常の幸福感が伝わってくる。読書が好きだという鶴岡さん。お気に入りの本は?と尋ねると「『リリアーネ』という、動物と話せる少女の物語のシリーズです」とはにかみながらも目を輝かせた。

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