ふるさとビジター館

庭の片隅のトキワハゼ

 庭の片隅に咲く、地面すれすれの小さな花に気付いた。今年初めて芽生えたのではなく数年前からあったようで、十数株もあった。名前はトキワハゼ(常盤爆米)といい、爆ぜ米に似た花が一年中咲くので常盤と付いたという。
 大きさは1センチぐらいの唇形花で、上唇は紫色、下唇は淡い紫を帯びた白色に黄色と赤褐色の斑紋がある。顔を近づけてみると、立って見た時より鮮やかな色合いをしている。放っておけば高さ20センチぐらいになるようだが、我が家では日当たりが悪いのか5センチを超える株は見当たらない。冬場は数が少ないもののどれかの株に花が咲き、一年中見られた。
 地面すれすれにカメラを置き横から撮ってみたら、上からとは見違える写真になった。大地をはい回る小さな虫たちにはこのように見えるのだなと感じた。大輪とまではいかなくとももう一回り大きく咲いていたら、もっと記憶に残る印象を与えていたろうと思う。
 携帯でもデジカメでも花に近づけ、上から、下から、右から、左からとポーズを変えて数多く撮ってみると案外いい写真が撮れていたりする。設定をチューリップマークのマクロ(近接撮影)にすると、カメラを近づけてもピンボケしないので小さな花には有効だ。
 散策で見かけた野草を掘って「採る」方たちには、同じ「とる」でもカメラで「撮る」ことをお奨めします。そうすれば市原の多様性豊かな自然を大勢の人たちに楽しんでもらえ、子供たちの世代まで残すことができるから。

ナチュラリストネット/野坂伸一郎

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】「手作りの電飾」木村順一  恒例の市原市写真連盟展が11/1(金)~6(水)、夢ホール(市原市更級・スポーツデポ市…
  2.  銚子市は、漁業と醤油の街として有名ですが、2012年に銚子市全域が日本ジオパーク委員会から「銚子ジオパーク」として認定されました。ジオパー…
  3. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…
  4.  10/12(土)から12/15(日)まで開催される、市原歴史博物館(市原市能満)の特別展「旅するはにわ~房総の埴輪にみる地域間交流~」。千…
  5. 【写真】日展 彫刻 2023年  都内六本木の国立新美術館にて、11月1日(金)から24日(日)まで『第11回日展』が開催…
  6.  秋の里山では、山の幸クリの殻斗(いが)の棘が茶色く変わり始め目立つようになる。葉が覆い茂っている林では見分けにくい。花が咲く6月と殻斗が割…
  7. 【写真】Frederic Edward Weatherly『Peeps into Fairyland(妖精の国を覗き見る)』 …
  8. 【写真】お店の前で。『十五や』のTシャツを着た藤本さん(後列中央)と田頭さん(右隣)  緑豊かな市原市東国吉で、県道21号…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る