金属の魅力を堪能

遊び心あふれる美しい作品と触れ合う

 12月14日(日)まで養老渓谷駅近くのギャラリー酪・ガレリア(窯焼きパンと焼き菓子の店・酪2F)で市原市在住の木下宏昭・喜代美夫妻の『金属で遊ぶ 鉄・銅二人展』が開催されている。鉄工芸作家の宏昭さんの作品約60点(新作含む)と、彫金・七宝作家の喜代美さんの作品約200点(未発表作品含む)が展示されている。
 リタイア後に始め鉄工芸歴15年の宏昭さんと、20代から始めた彫金・七宝歴40年の喜代美さんの二人展は今回が2度目。「銀は色のない魅力。七宝は色のある魅力。銅は自分が楽しんで作るもの。銀ほど細かくなく大胆な作品ができるのが面白い」と喜代美さん。
 知り合いの牧場から蹄鉄を譲り受け初めて作品づくりに取り組んだという宏昭さん。その後も廃材のもつ魅力に惹かれユニークな作品を作り続けてきた。しかし残念なことに最近は廃材が手に入りづらくなり、新しい金属を使うのでアイディアが浮かびにくくなったと苦笑する。
 今は鉄より重厚感には欠けるが、鉄線に興味を見出している。色々な形が考えられるし、影がいいのだと言う。昨年グランプリをとった『第5回溶接人杯』。今年は身体の不調もあり惜しくも最終選考に残るにとどまった作品『故郷への北帰行』も展示した。これからは鉄で絵画的な作品が創れるかトライしたいとのこと。
 一方、奥様の喜代美さんの展示スペースは彫金の技術を生かした銅の作品や色鮮やかな七宝作品、七宝窯で焼いたボトル細工が展示されている。オルゴール入りの作品もある数々の銅ハウス。小さなランプを入れ灯りがもれて並んでいる様は、ハリーポッターの世界?
 銀ならではの煌めきを放つアクセサリーはブローチ兼用のものもあり様々なシーンで使える優れモノ。そして一際目を引く七宝の朱。どんな服にも映えそうな深みのある色だ。ジャズ好きな喜代美さんの作品、ジャズプレイヤーの銅人形もインテリアには最高。今にもメロディーが流れてきそう。今回の作品は灯りがプラスできるものもあるので、これからの季節、部屋に飾ると暖かみを感じられることだろう。またこの時期、養老渓谷の紅葉も見頃を迎える。是非、お出かけを。

問合せ 酪・ガレリア(市原市朝生原220の1)
TEL 0436・96・1299
開廊時間11~16時、(月)(火)休。
作家在廊日(土)(日)(祝)

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