季節のスケッチ

俳画と文 松下 佳紀

数年前、風呂が故障したので業者に見てもらうと、もう耐用年数だと言う。それでガス風呂給湯器を新調したのだが、機器が便利になっているのに驚いた。リモコンを操作する度に、お湯張りをします、あと五分で入れますなど音声の知らせがある。追い焚きや湯温調節も簡単だ▼以前の風呂は適温になると電子音が鳴るだけだった。その前の風呂は予測した時間に湯をかきまわし、湯温を確かめたものだ▼さらに、私が子供の時代、浴槽は桶で燃料は薪だった。もっと思い出すと私はドラム缶の風呂にも入っている。いわゆる五右衛門風呂だ。それは戦後日本の貧しさを象徴する代物でもあった。風呂ひとつの体験だが、私はかなりの時代をくぐりぬけてきたのだ。

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