- Home
- 市原版, シティライフ掲載記事
- 子どもたちのため 野球界、指導者のなすべきこと
子どもたちのため 野球界、指導者のなすべきこと
- 2015/2/6
- 市原版, シティライフ掲載記事

1月10日、youホールにてスポーツ指導者らを中心とした市民を対象に特別講演会『継続・想像・育成 今なさねばならぬ事』(〔公財〕市原市地域振興財団主催)が2部構成で開催された。第1部の(一社)日本プロ野球選手会事務局長の松原徹さんの演題は『継続・あきらめない心~継続する心、環境・仕事とは 支え合い競い合うプロの世界』。
同選手会は「一流のプロ野球選手も地域の少年野球からスタートする。育ててくれた地域、学校、野球ファンへの恩返しのために結成された」という。30年以上前、村田選手、有藤選手、落合選手らが活躍するロッテオリオンズで1軍マネージャーだった松原さん。同選手会が労働組合としても認定された1988年からは事務局を務めた。
語られたのは、野球界全体のため労働環境、最低年俸、年金など野球生命をかけて改革してきた選手たちについて。球界史上初のストライキ決行に古田選手と一緒に泣いたこと、FA制度前に海を渡った野茂選手から突き付けられた選手会の課題ほかその場にいた者しか知りえないドラマ。数々の試練を経て、ライバルでもある12球団の選手たちが選手会をお互いに支え合う団体に作り上げてきた。松原さんは「野球選手を目指す子どもたちのため、これからも選手会は『13番目のチーム』として選手の地位向上、被災地支援などの社会貢献、ファンサービスなどを行っていく」と語り、会場の野球関係者や市民に熱い気持ちを伝えた。
第2部の国際武道大学准教授でアスレチックトレーナーの笠原政志さんの演題は『世代を超えたスポーツ指導者講習会』。「スポーツは社会人基礎力を培える。トレーナーの語源は電車。コーチは馬車。どちらも人を乗せて目的地まで連れて行く役目がある」という。心理学者メラビアンの法則を例に「見た目や雰囲気、やって見せる、声の大きさやトーン、言葉の力で伝えて」と話し、「指導者に必要なのはM(ミッション)、V(ビジョン)、P(パッション)。情熱だけではなく未来像を示し、知識や情報を正しく使って」とアドバイスした。
子どもたちのやる気スイッチを入れるには、「無関心期、関心期、準備期、行動期、維持期と段階がある。相手をよく観察し、適切な時期に情報を与え、気づきを促すと主体的に動ける。「君ならできる」と勇気づけて」とメカニズムを解説した。球速やコントロールについては映像やデータを示し、「紙鉄砲の音を出す動きで投球フォームの再現性を習得できる」と肱の位置や小指の向きを変え、紙鉄砲を実演してみせた。
共催した市原市少年野球協会理事長の安藤孔三さんによると「子どもたちのために指導者もステップアップしてほしいと、協会は毎年指導者向けに講習会を開いている」とのこと。