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魂を込めて、全力で一枚を描く
- 2015/7/24
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今夏、市原市新堀にある桶屋一穂庵『農民ぎゃらりぃ竹里館』で開催される禅画展。主催者で禅画家の鶴岡耕雲さん(66)が、禅宗初祖の達磨の姿を描き始めて15年が経った。「墨を使うのは水墨画と同じですが、禅画は墨を使って仏を描きます。自分なりの作風にしようと、色を付けたり禅語や漢語を脇に添えたりもしています」と鶴岡さん。自身が子ども時代を過ごした生家で暮らすようになって8年。今年1月に母多恵さんが亡くなり、新盆である今夏に「母への贈り物として禅画展を開催することにした」という。『ぎゃらりぃ竹里館』は鶴岡さんの手により再生された建物で、中には至る所に作品が飾られている。巨大な3枚の絵には笑顔の達磨も多いが、すさまじい形相の達磨の眼力には、思わずすくみあがるほどの気迫を感じる。だが、どこか見ているとすがすがしさを覚えるのは、「ここの暮らしはとても幸せに満ちていて、心が落ち着くんです。
それに、禅画は苦しい時に書くものではなく、リラックスするためのものですから」と話す鶴岡さんの心を映しているからだろうか。そして、「近年、人を悼む気持ちは変わってきています。私は母の新盆では、一般に行われるような飲み食いをするのではなく、静かに線香をともしてもらいたいんです」と心の内を話してくれた。開催期間中は、木や短冊、扇子に書かれた禅画も見ることができる予定なので、達磨を眺めてふっと心を穏やかにしみてはいかが。入場は無料。期間は8月1日から15日まで。時間13時から19時。13日から15日は21時まで。
問合せ 鶴岡さん
TEL 0436・36・4004
(市原市新堀40‐3)