魂を込めて、全力で一枚を描く

 今夏、市原市新堀にある桶屋一穂庵『農民ぎゃらりぃ竹里館』で開催される禅画展。主催者で禅画家の鶴岡耕雲さん(66)が、禅宗初祖の達磨の姿を描き始めて15年が経った。「墨を使うのは水墨画と同じですが、禅画は墨を使って仏を描きます。自分なりの作風にしようと、色を付けたり禅語や漢語を脇に添えたりもしています」と鶴岡さん。自身が子ども時代を過ごした生家で暮らすようになって8年。今年1月に母多恵さんが亡くなり、新盆である今夏に「母への贈り物として禅画展を開催することにした」という。『ぎゃらりぃ竹里館』は鶴岡さんの手により再生された建物で、中には至る所に作品が飾られている。巨大な3枚の絵には笑顔の達磨も多いが、すさまじい形相の達磨の眼力には、思わずすくみあがるほどの気迫を感じる。だが、どこか見ているとすがすがしさを覚えるのは、「ここの暮らしはとても幸せに満ちていて、心が落ち着くんです。
 それに、禅画は苦しい時に書くものではなく、リラックスするためのものですから」と話す鶴岡さんの心を映しているからだろうか。そして、「近年、人を悼む気持ちは変わってきています。私は母の新盆では、一般に行われるような飲み食いをするのではなく、静かに線香をともしてもらいたいんです」と心の内を話してくれた。開催期間中は、木や短冊、扇子に書かれた禅画も見ることができる予定なので、達磨を眺めてふっと心を穏やかにしみてはいかが。入場は無料。期間は8月1日から15日まで。時間13時から19時。13日から15日は21時まで。

問合せ 鶴岡さん
TEL 0436・36・4004
(市原市新堀40‐3)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】講演する家田さん      昨年12月、市原市市民会館で開催された『令和6年度市原市人権・男女共同参画フォーラム』。男…
  2. 【写真】はにわ博物館展示室の姫塚埴輪        昨年8月、千葉県殿塚古墳・姫塚古墳出土埴輪(総数48点うち殿塚古墳30点、…
  3. 【写真】第1回ドリームコンサートにて。2部では会場とステージが一体に &…
  4.  明けましておめでとうございます。2005年5月に「こでまりの夢」のコラムが始まって今年で20年になります。今回は第1回で掲載しました『か…
  5.  正月飾りの縁起物に赤い実のカラタチバナがある。これを探して冬の里山を散策した。数は少ないが一株見つかると近くに数株見つかった。11月頃か…
  6. 【写真】西本さん。大谷家具ギャラリー工芸館にて、展示作品と      大分県別府市在住の竹細工職人・西本有(たもつ)さんは、市…
  7.  富山県富山市。標高3000メートル級の北アルプス立山連峰や水深1000メートルの富山湾に囲まれ、人口約40万人の北陸地方を代表する主要都…
  8.  エイサーは沖縄全島と鹿児島県奄美大島に伝わる伝統芸能の一つ。旧盆の時期に祖先の霊を迎え、送り出すための演舞で太鼓や獅子なども使いながら踊…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】講演する家田さん      昨年12月、市原市市民会館で開催された『令和6年度市原市人権・男女共同参画フォーラム』。男…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る