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季節のスケッチ
- 2015/7/24
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俳画と文 松下佳紀
ある晩、ひとり埠頭に立ったことがある。ゆれ動く海面を見ていると、得体の知れぬものがぬうっと出てきて私を引きずりこむような気がして恐くなった。海坊主!一瞬私は思い、あとずさりした▼人は暗闇に対すると恐怖心から怪異なものを想像する。また見たように錯覚する。幽霊、妖怪などは江戸時代から今日に至るまで物語や絵画に登場する。本当に恐いもの、愛敬のあるものなど、種類は無数だ。幽霊や鬼、河童やろくろ首など、現代人はその実在を信じない。が、好奇心を満たす架空のものとしては容認する▼ところで映画に登場したゴジラは単なる好奇心の枠に収まらない想像と創造の生み出した巨大な怪獣だが、あれも妖怪の仲間だろうか?