体験学習で縄文時代を身近に

 石を削って刃物や武器を作り、木の実や貝を土器で煮て食べていた大昔の人々。その暮らしを身近に学ぶ『縄文時代体験教室』が、市津公民館で7月下旬に開催された。参加したのは小中学生21名とその保護者14名。全2回で、初日は勾玉作り、2日目は火おこしと縄文土器での煮炊きなどを行った。
 取材したのは初日。子どもたちは、縄文・弥生時代の本物の土器や石器に触れ、砥石で石を削って勾玉を作った。講師は千葉県文化財課の成田さんら2名。成田さんが持参した土器は、博物館等に並ぶような貴重な品。「縄文土器は地面に穴を掘って立て、周りで火を使ったので、下の部分が黒く焦げているよ」と解説。両手で抱えるように土器を持ち上げた子どもたちは「すごい重い!」と驚き、「これを昔の人が使ってたなんて不思議」と中をのぞきこんだりしていた。
 休憩の後は勾玉作りへ。勾玉は昔の人々がお守りにしたり、祭りや儀式などにも使用したと考えられている。今回は、子どもたちにも作りやすく柔らかい滑石の勾玉。真ん中に溝のある砥石に滑石を当て、真直ぐに動かし、少しずつ削っていく。子どもたちは丸みを帯びた形に苦労しながらも、削っては角度などを確かめ、紙ヤスリも使って、その独特の形を研ぎだした。「ツルツルの石になった!」と喜んだ子どもたちは、革紐をつけてもらい、首飾りに。「ナイロンのジャージなどで磨くと、もっと綺麗な光沢が出るよ」と言われ、「家で磨いてみる!」と嬉しそうに持ち帰った。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  日本百景のひとつ、茂原公園の満開の桜。春爛漫の風景が堪能できる『茂原桜まつり』の期間中、3年ぶりに『茂原公園・桜の山の春の市』が開催されま…
  2.  読者の方々から映画に関するお問合せが多く寄せられましたので、今年度より「懐かしのシネマ」がスタートいたします。洋画・邦画・監督・俳優等、素…
  3.  昨年のゴールデンウイークに友人から「ウメハルシメジが公園に出たよ」と連絡がありました。ウメハルシメジはまだ見たことがないキノコです。さっそ…
  4.  昨年11月、市原市能満に市原歴史博物館がオープンした。これは既存の市原市埋蔵文化調査センターを増改築した施設で、愛称は『I’Museum …
  5.  御十八夜は市原市の中心に位置する米沢の森の標高162・3mの山頂で、晴れた日には東京湾やスカイツリー、北は筑波山、富士山、南アルプスや鹿野…
  6.  久しぶりに故郷の雑木林の中を散策しました。東日本大震災以来で、10年以上も足を踏み入れなかった事になります。以前は帰省する度、1〜2時間ほ…
  7. 【写真】ぬいぐるみたちのキャンプ  1月29日(日)、茂原市立図書館主催の『ぬいぐるみのおとまり会』が開かれ、児童12名と…
  8. 【写真】智明さんと悦子さん  長南町長南の大谷家具製作所で注文家具を手掛ける、家具指物師の大谷智明さん。静岡で『駿河指物』…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  昨年11月、市原市能満に市原歴史博物館がオープンした。これは既存の市原市埋蔵文化調査センターを増改築した施設で、愛称は『I’Museum …

スタッフブログ

ページ上部へ戻る