季節のスケッチ

俳画と文 松下佳紀

 私は雲が好きだ。季節により、気象状況により様々な雲が空を彩るが、どんな雲も興味深い。とは言え灰色の雨雲や嵐の時の黒雲は敬遠する。何よりも青空に浮かぶ真っ白い綿のような雲が好きだ。その綿雲も春夏秋冬それぞれの趣きがあり、見る場所、その時の心境により見え方が違う。とりわけ秋は空が青々と澄み渡り、綿雲の白さが際立って美しい。私はいつもうっとりと仰ぐばかりだが、ひとつだけ気づくことがある。それは、どんな雲も時と共に姿かたちを変え、いつしか跡形もなく消えてしまうということだ。行雲流水、生々流転、人生もまた…と思わず私はつぶやく。そうして散歩道の途中、一本の木のように立ちつくすのだ。

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