森と水の切り離せない関係 

~自然は誰が守るのか~

 昨秋、おとずれ山の会主催で『里山体験研修会』が開催された。音信山(おとずれやま)は市原市大字山口にあり、小湊鉄道高滝駅から西方向へ約3kmに位置する。おとずれ山の会のフィールドはその近くのおとずれの森(182m)。代表の高橋順子さんと夫の和靖さんは、「メンバーは約20名です。『作業を楽しむ』とスローガンに毎月2回の定期作業をしていますが、人手は足りていません。おとずれ山の会は平成18年に発足し、活動拠点とする森は3カ所で全6ヘクタールあります。高齢化、少子化は深刻な問題ですが、現実的な解決策が必要。会社を退職され、まだまだ元気な方に手伝っていただけると助かります」と呼びかける。
 当日の参加者は20名。午前9時に加茂公民館に集合し、まずは森づくりに欠かせない水づくりの勉強。千葉県環境研究センターの風岡修さんによる『房総半島中央部おとずれ山周辺の湧水と地層』について講演が行われた。地球上には水が溢れているように思えるが、大部分は海水で、人間が使える淡水はほんの少し。夏場では連日雨が降らないことも珍しくないのに、どうして川の水は枯れないのか。「雨は落ち葉層から地層に浸みこみ、地下水、湧水となって川や湖へ注ぎ、私達の使える水となります」と、風岡さんは各地層がもつ作用を簡単な実験をしながら説明し、森や地層が支える水の循環の重要性を訴えた。講演最後には、「針葉樹の森と広葉樹の森ではどのように違うのですか。最近よく起こるがけ崩れ、山崩れにも関係があるのでしょうか」と参加者から鋭い質問が飛んだ。
 その後、一行はスタッフの車に分乗しておとずれ山へ!10分ほどで到着すると、昼食タイム。アサリご飯や煮物など地域の食材を使った弁当、参加者が差し入れたミカンを頬張りながら、話に花が咲く。和靖さんは、「おとずれ山は、鎌倉後期の私選和歌集『夫木集(ふぼくしゅう)』で上総の名所としてあげられ、歌が詠まれています」と豆知識を伝授。また、「これはクロモジの木という、楊枝の原料となる木から作ったお茶です。美味しいでしょう?」と順子さんが配るピンク色のお茶を飲み、「独特の香りがするけど、クセになりそうなほど美味しいね」と参加者。お腹がいっぱいになると、山の斜面に造られた大きなブランコやハンモックに揺られ笑顔を見せる場面も。
 森の中での野点を充分に満喫すると、次は2班に分かれて『ヒノキ間伐材の鍋敷き』と『竹の菜箸』作りを交代で行う。鍋敷きのヒノキを輪切りする際、初めてチェーンソーを扱った女性は、「重みがあるので、全然力がいらなかったです」と興奮気味に感想を漏らした。「身体はしっかり構えましょう」、「刃の回転を上げてからヒノキに当てるといいですよ」とスタッフから細かい指示が飛ぶ中、「ヒノキの良い匂い!」と切り取った部分に鼻を近づける人多数。そのままお風呂に入れるのも、オススメだとか。
 竹の菜箸は、紙やすりやナイフの刃先を当て、自分好みの細さに揃えていく。竹の青い外側ではなく、実の方だけを削ると加工しやすいという。
 それぞれ里山活動の経験は様々だったが、母親と参加した市原市在住の40代女性は、「横浜の都会で育ち自然は少ない環境に長くいました。今は自然に触れる里山が大好きです。里山活動をしに行ったのに、大量のタケノコをいただいたこともあります。里山を愛する人は温かい方ばかりですね」と話し、母親は「最近、川柳に凝っています。今日の活動で一句できました!」と満面の笑みを見せた。
 現在、同会は会員を募集中。月2回の活動では、主に草刈りや間伐を行っているほか、間伐した木材の加工にも取り組んでいる。会費は年間1200円。詳細は問合せを。

問合せ 高橋さん
TEL 090-4735-6504

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