光と影が生み出す「美」 鶴岡暉也(てるや)・美生(みき)親娘展開催

↑ 暉也さんの作品

「写真は光と影で決まる」そう言い放つ市内在住のカメラマン、鶴岡暉也さんと娘の美生さん2人の『親娘写真展』が2月1日から28日まで、つるまい美術館にて開催される。独学で50年以上、主に日本全国の山や林などを撮り続けてきた暉也さんと、父親の影響を受け数年前から写真を始めた美生さん。今回は2人が撮りためた風景写真44点を展示する。家族旅行へ出かける度に父と娘2人で連れ立ち、カメラを手に林道を歩く。暉也さんが撮影のために巡った青森県や秋田県などの鄙びた温泉地は120カ所以上にものぼる。手つかずの自然が好きでブナ林ばかり撮っていた時期もあった。
「天候は悪い方がいい。雨が降ると霧が出るでしょ。そうすると余計な人工物を覆い隠してくれるからね。撮影したい被写体だけが浮かび上がるんだよ」父娘の写真に共通しているのは太陽の光が全面に当たったキラキラした風景ではなく、雲を通した淡い陽光によって被写体の存在と本質、魅力を最大限に引き出していることだ。
 青っぽい霧がかかった幻想的な里山の風景は、鶴舞にある自宅の庭から撮影したもの。「太陽が昇る前、朝の冷え込んだ時間に撮った。ね、明るい光はない方がいいんだよ」。鶴舞公園の木立を撮影した写真も雨の中。ピンクの傘を差して佇む女性は美生さん。
 青森県十和田市にある蔦沼の夜明け。紅葉した周囲のブナ林が朝日で赤く染まっているが、東の空にかかった雲が息をのむうような光と影のコントラストを生み出している。水面に映ったそれらの姿もまた美しい。美生さんの作品だ。
 暉也さんが美生さんに撮影のアドバイスをすると不機嫌になるそうだが、実際は知らず知らずのうちに父親の写真を真似てしまうのか「似た雰囲気の写真が多いですね」と暉也さんは笑う。
 暉也さんは『勤労者美術展』労働大臣賞ほか数々のコンクールで入賞経験を持ち、雑誌社から何度も原稿依頼を受けたことがある腕前。「娘も、人前に出しても恥ずかしくない写真が撮れるようになったから」と親娘展を開催するに至った。美生さんは「素人の写真を見ていただき、ご高評いただけたら」と話す。ぜひとも、会場にて2人の作品をじっくりとご覧あれ。
 開館は11~16時。最終日のみ15時まで。月曜休館。入場無料。

問合せ つるまい美術館
TEL 0436・88・4001

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