日本古来の工法、三枚組手に挑戦

 1月25日、三和コミュニティセンターで主催講座『木工入門』が行われ8名が参加した。講師は市内在住のDIYアドバイザー、木村進一さん。「今回は岡持ちに挑戦。ややレベルの高い内容ですがお昼を挟んで1日、木工を楽しみましょう」との言葉でスタート。木材に印をつけ、鋸やノミで切り落とし形を作っていく。真っ直ぐに切るには板をクランプという工具で止め、気持ちを込める。うまく切れない人には木村さん考案のとっておきの工具が。木端(こば)に磁石を貼り付けた角板で、鋸の刃に当てて使うと刃が磁石に引き寄せられ真っ直ぐに切ることができる。さしがねは右上に直角部分を据え長手を握り外側のラインに沿って線をひく、など道具の基本的な使い方も紹介した。
 難関は箱枠部分の三枚組手。釘を使わずに木と木を組み合わせて継ぐ日本古来の工法だ。凹を施す女木(めぎ)と凸を施す男木(おぎ)に印をつけるだけで1時間近くを要した。美しく丈夫な組手を作るには、正確に測り切ることが求められる。真剣な表情の参加者。熱が入り「暑いな」と上着を脱いでさらに集中。女木の凹部分を切り落とす作業には、敢えて技術の必要なノミを使用した。凸が大きく組みにくい場合は、木村さんが「最上級の仕事」だと話す「木殺し」を。男木の凸部分をハンマーで叩き圧縮してから組む。すると木の復元力により凸部が膨らみ接合力が強化される。「釘で止めるよりも丈夫に仕上がる。腕のある人がやると何年経っても隙間はできない」そうだ。
 みんなで協力し合い、時間をかけながらも何とかほぼ全員が完成にこぎつけた。ある参加者は「難しかったけれど高度な技術を学べて勉強になった。工具箱として使います」と汗ばんだ表情で話した。

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