仲間と共に奏でる、重低音ハーモニー

市原グリークラブ

 低音を力強く響かせ、聴く人を圧倒する男声合唱。女声合唱や混声合唱とは、また異なる魅力を持つ。市原市内で唯一の男声合唱団『市原グリークラブ』を取材した。
 25年ほど前、市原楽友協会合唱団の男声パートから派生し発足した。団員は30から80代の18名。テノール1・2とバリトン・バスの4パートに分かれハーモニーを奏でる。バリトン・バス所属の団員は2オクターブ、テノール所属の団員は2.5オクターブもの音域を持つ。さらに裏声を使えばソプラノと同等の声を出すこともできる。「低音をしっかりときかせるので、伴奏なしでも十分迫力がある。聴きごたえ満点ですよ」と団長の鈴木勝典さんは胸を張る。
 指揮をとるのは楽友協会音楽総監督の山本康童(こうどう)さん。「マーイ、マーイ、マーイ・・・」ピアノの音に合わせ発声練習を行う。山本さんは身ぶり手ぶり、手本を示しながら理想の声が出るようテンポよく誘導する。初見の曲は、リズムだけを意識して歌詞を読むところからスタート。リズムが正確になってきたら音程をとる。音の長さ、言葉の置き方、アクセント、シンコペーションなど正しく歌えるようになるまで何度も繰り返す。「ちがーう!」、「早く出ればいいってもんじゃない!」山本さんの、突っ込みのようなアドバイスに思わず笑いが漏れる。「音外れてたよ!」、「バレたか」など漫才のような掛け合いも。
 山本さんは東京藝術大学音楽学部声楽科卒、同大学大学院修士課程を修了、オーストリア国立ウィーン音楽大学他への留学経験を持ち、リサイタルやオペラに出演するなど幅広い音楽活動を行なっている。「発声や言葉の発音について本格的にきちんと指導していきたい」と話す。
 同クラブは、市原市市民会館で行われる合唱祭など年に5回ほどステージに立つ。ドイツ民謡やロシア民謡、黒人霊歌、『上を向いて歩こう』他日本の懐かしい歌などをカバー、レパートリーは100曲を超える。「発表の場はいい刺激になる。どんどん広げていきたい」と鈴木さん。本番は暗譜で臨む。東京ドイツ村のイベントに向けては全てドイツ語の歌に挑戦した。「難しすぎるから易しい小学唱歌にして、と依頼されましたけどね」と笑う。五井駅前で突然出没して合唱を披露するゲリラコンサートも好評だった。昨年末に出演した、カトリック五井教会での『クリスマスコンサート』では、力強く荘厳な歌声を教会の天井高くまで響かせ来場者から大きな拍手が沸き起こった。ある団員は同教会の信徒である先輩に誘われて入団した。「歌が好きで入団したけれど合唱は初めて。最初は声が出ず、何度もやめようと思いました。でも、トレーニングを重ねていくうちに少しずつ高い声が出るようになってきた。温かく見守ってくれる先輩方のおかげでもあります」と嬉しそうに話した。練習中の歌を録音し、仕事の行き帰りに車の中で繰り返し聴いて覚えるという努力を続けているそうだ。
 カラオケ中に先輩に誘われたという団員は「男声独特の重厚なハーモニーが気持ちいい。思いっ切り声を出すとストレス発散にもなる。人前で話すことが苦手な人や若い人におすすめ。腹から出る大きな声は、きっと、それぞれの仕事でも役に立つことがある。3年続ければ、いい声が出せるようになるよ」とにこやかに話す。団員同士、とても仲がよく月に2、3度は飲みに行くのも楽しみのひとつだそう。「男性ばかりなので気楽なんだよ」との声も。病後のリハビリ中だという団員も「楽しい」と参加している。学生時代から合唱部に所属し続けてきた経験者、定年退職してから始めた人など様々だが、団員に共通するのは生き生きとした表情。「おしゃべりするための声が出る人なら、練習によって誰でも進歩していきますよ」と山本さん。仕事の息抜きに合唱に打ち込んでみては。
 新団員募集中。練習は市原市青少年会館で月2回(不定期なのでホームページ要チェック)。月会費3千円。

問合せ 鈴木さん
TEL 0436・22・0782
http://www.nexyzbb.ne.jp/~nexysa06h/index.html

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