アートいちはら2016春 里山と街をつなぐオアシス『内田未来楽校』から市原市中に蝶々が飛び立つ日

 来春開催する『第2回いちはらアート×ミックス』に繋げていくアートイベント『アートいちはら2016春』が、5月3日から8日までの6日間開催された。
 その会場のひとつとなった、市内唯一の木造校舎、内田未来楽校(旧内田小学校・市原市宿174・8)では、アーティスト・キジマ真紀さんによる『刺繍カフェ てふてふ』が開催され、期間中終日、てふてふ(蝶々)作りを楽しむ大勢の老若男女の姿が見られた。開催前に東京から訪れたキジマ真紀さんから、てふてふ作りを説明された同校を管理運営する『報徳の会(常澄良平会長)』の女性会員の皆さん。作家不在の時は参加者に作り方のてほどきをしたり、「期間中に千頭」を目標に、てふてふ作りに励んだ。
 今回、作られた蝶々は来春、アート×ミックス開催時に作品の一部として展示される。初日の5月3日(祝)から会場内に置かれたテーブルやイスが満席となるほどの人気。家族で参加した市内在住の女性は「参加費は無料だし入場料もかからない。制限時間もないから、のんびり過ごせる。作った蝶々が作品になるのも楽しみ」と話し、隣席の女性も「1時間から1時間半ぐらいで作れるし、好きな材料を選んで、自分好みにデコレートしてオンリーワンの蝶々が出来上がるのが嬉しい」と笑顔で話した。
 お隣りでは報徳の会が運営する『内田未来カフェ』もオープン。できたての手作りパンやクッキーなどを買い求め、コーヒータイムを楽しむ人や制作会場に持ち込んで、ひと休みがてらお喋りに花を咲かせる人たちもいた。
 会場前では採れたての野菜や加工品も販売され、季節の山菜や菖蒲湯に使う菖蒲も並んだ。
 会場内のもうひとつの教室では『内田の生き物展』が開かれており、地域に棲息する野生動物の剥製が展示され、子どもたちが歓声を上げて見物していた。地元の小学生男子は「タヌキは車に轢かれているのしか見たことなかった。イノシシはよく見るけど、こんなに小さいウリ坊は見たことない。可愛いけど畑を荒らす困ったヤツなんだよね」と真剣に見入り、祖父だという男性は「獣だけでなく、いろんな鳥もあって見応えありますね」と感心していた。
 キジマ真紀さんを改めて紹介すると、1976年東京都生まれ。東京芸術大学大学院卒業。「現実と空想」をテーマに、日用品などの品々を繊細な手作業によって植物やドレスに変貌させる作品を制作している。
 2009、2012年、『大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ』、2014年には市原湖畔美術館にて、ワークショップを実施した。
 蝶々というモチーフは今回が初めて。「内田未来楽校が多くの人の集うコミュニティーであることを、蝶々が運ぶ花粉に託して、市原市中に飛んで知ってもらうとイメージして」とキジマ真紀さん。
『刺繍カフェ てふてふ』は1076名の入場者で終了。報徳の会事務局長の小出和茂さんは「今回、完成した蝶々は家に持ち帰って作ったものも含め200を超えた。今後、毎月第3土日曜日に開催する『おもしろ展示会』と同時に『刺繍カフェ てふてふ』も開催します」と語る。是非、皆さんも、気軽に立ち寄って、蝶々作りしてみては。

問合せ 小出さん
TEL 090・2661・5567

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