気象予報士と雲を作ったよ

 8月20日、国分寺公民館主催事業『気象予報士の仕事』が開催され、親子58名が参加した。講師は市原市出身でテレビ番組『スッキリ!!』などに出演するお天気キャスター、松並健治さん(45)。「番組に出ていない時は資料を見てどのように天気を伝えるか原稿を作ったり、打ち合わせをしたりする」と仕事の内容を説明することからスタートし、授業をクイズ形式で進めた。
 雲や空、遠くの山の様子を見て天気を予想するのが「観天望気(かんてんぼうき)」。「夕焼けの翌日は晴れ」は「晴れになる高気圧が西から移動してくるから」、「飛行機雲ができるとお天気は下り坂」は「見えないけど雲の原料になる水蒸気がいっぱいあるから」など空を見て天気を予想する面白さを伝えたあと、雲を作る実験に移った。
 実験は炭酸飲料用の蓋のついたペットボトルを使う。蓋についた小さなポンプを何度も押しペットボトルの空気を圧縮したあと、蓋を開けると一瞬雲が見える。空気をたくさん詰められずに苦労する子どももいたが、松並さんが手伝い雲を発生させると嬉しそうにしていた。仕組みは「圧縮した空気は温かくなると、水蒸気をたくさん含む。蓋を開けると圧縮された空気の気圧が下がり気温が低下、水蒸気は小さな水の粒になり、目に見えるようになる」とのこと。「台風はどんな形」という三択問題では「縦に厚みのあるシフォン型」や「少し厚みのあるドーナツ型」に多くの子どもたちが手を挙げた。しかし、正解は「CD型」。幅500kmに対して、厚みはたった10kmくらいのことがあるそうだ。
 後半は地球温暖化の仕組みや危機についての解説。このままでは2100年に気温は最大4.8度上昇する。現在の市原市の年間平均気温は14.8度。2100年には今の種子島の気温ぐらいになるという。「地球温暖化を止めるため、ドラえもんのように新技術を開発したり、トトロのメイちゃんたちのように自然環境を守る生活したりしてほしい」と語りかけると子どもたちはうなずいていた。
 「子どものころは遊んでばかりいた」という国分寺台小、中学校卒業の松並さん。大学卒業後は、スーパーの鮮魚部門の「魚屋」として働いていた。専門職に就きたいと気象予報士の資格制度ができたのを機に会社を退職。試験は「最初、全くわからなかったが、やれば誰でも理解できる内容だった」そうで、2年半勉強して合格。「気象会社に就職し、オーディションを受け、テレビ出演をするようになった」
 終了後、中学1年生の男の子が「予報気象予報士になりたい」と話すと、「受験資格に年齢制限はないから今からチャレンジしてみて」とアドバイス。中学生は「松並さんはしゃべるのが得意そう。自分はしゃべるのが苦手だが、頑張ってみたい」と話していた。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  市原市は市制施行60周年を記念し、『エンジン01(ゼロワン)in市原』を2024年1月26日(金)~28日(日)に開催する。先月8月25日…
  2.  マザー牧場(富津市)では、ひと足早く秋先取りの絶景が登場。まきばエリア 『花の大斜面・東』にて、 2年目となる『コキア』が9月上旬より紅葉…
  3.  心ない行動や言葉が、人を追い詰め事件になるケースも多い昨今。この本『慈雨』の筆者・大木太枝(たえ)さんも、20数年前、愛する家族が他人の中…
  4.  9月30日(土)・10月1日(日)の2日間、上総更級公園や上総大路などで、『上総いちはら国府祭り』が4年ぶりに開催される(主催:上総いちは…
  5.  絵本作家の五味太郎さんが書いた本に『じょうぶな頭とかしこい体になるために』という本があります。「何をしたいか自分でもよくわからないんだ」と…
  6.  今回から前後編で、世界に名を轟かせた黒澤明監督に関するお話です。黒澤明:1910年(明治43年)3月23日生~1998年(平成10年)9月…
  7.  牛久石名坂1号墳跡は、市原市のほぼ中央に位置し、国道が縦横に走る養老川中域の標高37メートルの河岸段丘上にあります。周囲には大小の古墳が9…
  8.  8月21日から23日の3日間、野田市にある江崎グリコ株式会社の工場見学施設『グリコピアCHIBA』にて、小学生とその家族を対象としたワーク…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  9月30日(土)・10月1日(日)の2日間、上総更級公園や上総大路などで、『上総いちはら国府祭り』が4年ぶりに開催される(主催:上総いちは…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る