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気象予報士と雲を作ったよ
- 2016/9/30
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8月20日、国分寺公民館主催事業『気象予報士の仕事』が開催され、親子58名が参加した。講師は市原市出身でテレビ番組『スッキリ!!』などに出演するお天気キャスター、松並健治さん(45)。「番組に出ていない時は資料を見てどのように天気を伝えるか原稿を作ったり、打ち合わせをしたりする」と仕事の内容を説明することからスタートし、授業をクイズ形式で進めた。
雲や空、遠くの山の様子を見て天気を予想するのが「観天望気(かんてんぼうき)」。「夕焼けの翌日は晴れ」は「晴れになる高気圧が西から移動してくるから」、「飛行機雲ができるとお天気は下り坂」は「見えないけど雲の原料になる水蒸気がいっぱいあるから」など空を見て天気を予想する面白さを伝えたあと、雲を作る実験に移った。
実験は炭酸飲料用の蓋のついたペットボトルを使う。蓋についた小さなポンプを何度も押しペットボトルの空気を圧縮したあと、蓋を開けると一瞬雲が見える。空気をたくさん詰められずに苦労する子どももいたが、松並さんが手伝い雲を発生させると嬉しそうにしていた。仕組みは「圧縮した空気は温かくなると、水蒸気をたくさん含む。蓋を開けると圧縮された空気の気圧が下がり気温が低下、水蒸気は小さな水の粒になり、目に見えるようになる」とのこと。「台風はどんな形」という三択問題では「縦に厚みのあるシフォン型」や「少し厚みのあるドーナツ型」に多くの子どもたちが手を挙げた。しかし、正解は「CD型」。幅500kmに対して、厚みはたった10kmくらいのことがあるそうだ。
後半は地球温暖化の仕組みや危機についての解説。このままでは2100年に気温は最大4.8度上昇する。現在の市原市の年間平均気温は14.8度。2100年には今の種子島の気温ぐらいになるという。「地球温暖化を止めるため、ドラえもんのように新技術を開発したり、トトロのメイちゃんたちのように自然環境を守る生活したりしてほしい」と語りかけると子どもたちはうなずいていた。
「子どものころは遊んでばかりいた」という国分寺台小、中学校卒業の松並さん。大学卒業後は、スーパーの鮮魚部門の「魚屋」として働いていた。専門職に就きたいと気象予報士の資格制度ができたのを機に会社を退職。試験は「最初、全くわからなかったが、やれば誰でも理解できる内容だった」そうで、2年半勉強して合格。「気象会社に就職し、オーディションを受け、テレビ出演をするようになった」
終了後、中学1年生の男の子が「予報気象予報士になりたい」と話すと、「受験資格に年齢制限はないから今からチャレンジしてみて」とアドバイス。中学生は「松並さんはしゃべるのが得意そう。自分はしゃべるのが苦手だが、頑張ってみたい」と話していた。