故郷の歴史を様々なテーマで探求、会誌を発刊

〈寄稿〉房総古代道研究会

 市原は奈良・平安時代に上総国の国府が置かれ、政治、経済、文化、交通の中心地として栄え、多くの貴重な歴史遺産がある。市原を中心に地域の歴史を探求する『房総古代道研究会』では、こうした古代の上総国の特色を、道路を基本に調査研究し、さらに市民の文化財への関心を高めること、行政に対してはその保存や活用を求める活動を行っている。
 このたび当研究会では、発足5周年を記念して会誌『房総古代道研究会(1) 』を発刊。『市原の誇る歴史遺産の活用を』から始まり、『古東海道の藤瀦駅の特定』『更級日記から見た市原』『墨書土器から見える上総国分寺の様相』『島野地区の古代地形復原』『市原の道標』『千葉氏最後の当主と海保村』『上総国府は市原市市原』『上総国分寺造復原営の責任者・設計者』など、テーマは多岐にわたり、新しい切り口も盛り込んでいる。
 会長・西山勝裕は「地域の人が地域の歴史を掘り起こした論文集、情報誌。小粒でも一石を投ずるキラリと光るものがある。例えば、万葉集の巻十四(東歌特集)巻頭歌『夏麻引く 海上潟の 沖つ渚に 船はとどめむ 小夜更けにけり』の舞台は市原で海上潟の歌とする有力な解釈がある。しかし、詠まれた場所の特定がこれまでなされていなかった。元千葉県文化財保護協会評議員で地元の谷島一馬先生は『古代の養老川(現在の青柳地区を流れる前川)の河口に、『カゴンヅ』(囲み津)と地元で呼ばれてきた天然の良港があり、この周辺の遠浅の海辺で詠まれた』と場所の絞込みを提唱した。万葉集研究家に一石を投ずることになるだろう」と話す。写真は現在の『カゴンヅ』跡。
 研究会では会誌(70ページ)を一冊700円で一般頒布中。また、どなたでも自由に参加できるセミナーも隔月開催し、日時は随時シティライフ情報欄にてお知らせする。

問合せ
西山
TEL 090・2201・4489

山本
TEL 090・2637・6497

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  市原市姉崎小学校を拠点に活動している剣道『錬心舘市原道場』。設立は1987年と長い歴史を持ち、小中学生を中心にこれまで数多くの卒業生を育て…
  2. 【写真】本須賀海岸(当写真は特別な許可を得て撮影しています)  マリンアクティビティのイメージが強い九十九里エリア。成田国…
  3.  マザー牧場(富津市)では、2~3月が羊の出産シーズン。今年は約20頭が出産。第1号は2月22日に生まれた品種「サファーク」の女の子。黒い顔…
  4.  鉄道写真愛好家の皆さんへお知らせです。今年6月6日(木)~6月11日(火)に開催予定の『小湊鐵道を撮る仲間たち展』に写真を出展いただける方…
  5.  新芽が出始めた春の里山を散策してみた。葉の色や形、大きさなど種類の多さが感じられる。葉の多様性といったところか。  そんな中で高い木の枝…
  6. 【写真】チバニアンガイドの皆さん  2020年1月、市原市田淵の地磁気逆転層を含む地層『千葉セクション』がGSSP(地質年…
  7.  前回、近い将来起こるであろう世界的な食糧問題について書きましたが、多くの学者は、私達が生き延びるには人間が何万年と育んできた古来からの農法…
  8. 【写真】『音楽堂in市原《私の十八番》ガラコンサート』にて。ヴァィオリン・川井郁子さん、ピアノ・熊本マリさん  市原市市制…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  市原市姉崎小学校を拠点に活動している剣道『錬心舘市原道場』。設立は1987年と長い歴史を持ち、小中学生を中心にこれまで数多くの卒業生を育て…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る