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故郷の歴史を様々なテーマで探求、会誌を発刊
- 2017/1/13
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〈寄稿〉房総古代道研究会
市原は奈良・平安時代に上総国の国府が置かれ、政治、経済、文化、交通の中心地として栄え、多くの貴重な歴史遺産がある。市原を中心に地域の歴史を探求する『房総古代道研究会』では、こうした古代の上総国の特色を、道路を基本に調査研究し、さらに市民の文化財への関心を高めること、行政に対してはその保存や活用を求める活動を行っている。
このたび当研究会では、発足5周年を記念して会誌『房総古代道研究会(1) 』を発刊。『市原の誇る歴史遺産の活用を』から始まり、『古東海道の藤瀦駅の特定』『更級日記から見た市原』『墨書土器から見える上総国分寺の様相』『島野地区の古代地形復原』『市原の道標』『千葉氏最後の当主と海保村』『上総国府は市原市市原』『上総国分寺造復原営の責任者・設計者』など、テーマは多岐にわたり、新しい切り口も盛り込んでいる。
会長・西山勝裕は「地域の人が地域の歴史を掘り起こした論文集、情報誌。小粒でも一石を投ずるキラリと光るものがある。例えば、万葉集の巻十四(東歌特集)巻頭歌『夏麻引く 海上潟の 沖つ渚に 船はとどめむ 小夜更けにけり』の舞台は市原で海上潟の歌とする有力な解釈がある。しかし、詠まれた場所の特定がこれまでなされていなかった。元千葉県文化財保護協会評議員で地元の谷島一馬先生は『古代の養老川(現在の青柳地区を流れる前川)の河口に、『カゴンヅ』(囲み津)と地元で呼ばれてきた天然の良港があり、この周辺の遠浅の海辺で詠まれた』と場所の絞込みを提唱した。万葉集研究家に一石を投ずることになるだろう」と話す。写真は現在の『カゴンヅ』跡。
研究会では会誌(70ページ)を一冊700円で一般頒布中。また、どなたでも自由に参加できるセミナーも隔月開催し、日時は随時シティライフ情報欄にてお知らせする。
問合せ
西山
TEL 090・2201・4489
山本
TEL 090・2637・6497