いつも空にいる月を想って

 5月14日(日)まで開催していたいちはらアート×ミックス2017。2013年に閉校した旧里見小学校(IAAES)で会期中毎日開催されたのは『里見100人教頭学校キョンキョン』。食・歌・地歴など様々な分野で活躍する人達が教頭先生になり授業を行うのだ。
 会期初日、教壇に立ったのはロシア出身のレオニート・チシコフ教頭。「両親が教師だったので、私は幼いころから学校に親しんで育ちました。閉校は悲しいことですが、今も残って活用されるのはとても良いこと」と話した。詩人・戯曲家・作家・医師と様々な顔を持つチシコフ教頭。今まで影響をうけた作家のデ・キリコやウィリアム・ブレイク、松尾芭蕉や種田山頭火などが作った月を題材にした作品の解説を交えながら、自身のアートも映像を交えて展開した。
 「月に興味を持ったのは15年ほど前のことです。月は光を放ちます。光は私達の中にあり、また人は光から生まれると思います」と話すチシコフ教頭の作品は、同校2階の一室、そして階段の踊り場に展示されていた。3年前に嵐で倒木した実物の木を使用して制作された作品は圧巻。木の幹の部分にライトを埋め込み、踊り場を照らしているのだ。根は3年を経ても未だに生き続けているような風格を維持し、木が手足を伸ばしているようにさえ見えた。授業後半では、参加した生徒たちが月を題材にした俳句を作ることに。「500年前の日本ではみんなやっていたこと。恐れないで」と促す教頭に、少し照れながらも全員が交互に作品を発表しあっていた。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る