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ふるさとビジター館
- 2017/7/21
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これもサクランボ ウワミズザクラ
里山で4月に咲いたウワミズザクラの実が緑から黄に色づいてきた。赤から黒に熟すにはまだ早いか?
バラ科サクラ属ウワミズザクラ(上溝桜)は高さ15~20メートルの落葉高木。葉は互生、長さ8~11センチ、卵形~卵状長楕円形。葉身の基部にバラ科特有の蜜腺がある。花期は4~5月。
ウワミズザクラは総状花序になる桜でその長さは8~15センチ。ひとつの花の大きさは6ミリ、5弁の白い花が密集する。野性のサクラにはソメイヨシノのように葉の展開前に花が咲くもの、ヤマザクラのように展開と同時に咲くもの、ウワミズザクラのように葉の展開後に咲くものがある。
地方によっては花が咲く前のつぼみを山菜として扱う所がある。そのままをてんぷらで食べるらしい。塩漬けしたものはアンニンゴ(杏仁香)漬けとよぶそうだ。果実のサクランボはすきまが広いブドウのようで、熟すと食べられる。赤から黒に代わる頃のものは色と香りが美しく果実酒などに利用されるという。
この花の名前を知るまで、桜とは思わなかったが、その実もまたサクランボとは思わなかった。市原でも食す習慣があったものかわからない。高木に実る果実は容易に手に入らない。が、手に入れば一度は食してみたいと思いつつ里山を散策している。
市原の自然は豊かで素晴らしい。いつまでも大切に残したい。
(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)