これもサクランボ ウワミズザクラ

 里山で4月に咲いたウワミズザクラの実が緑から黄に色づいてきた。赤から黒に熟すにはまだ早いか?
 バラ科サクラ属ウワミズザクラ(上溝桜)は高さ15~20メートルの落葉高木。葉は互生、長さ8~11センチ、卵形~卵状長楕円形。葉身の基部にバラ科特有の蜜腺がある。花期は4~5月。
 ウワミズザクラは総状花序になる桜でその長さは8~15センチ。ひとつの花の大きさは6ミリ、5弁の白い花が密集する。野性のサクラにはソメイヨシノのように葉の展開前に花が咲くもの、ヤマザクラのように展開と同時に咲くもの、ウワミズザクラのように葉の展開後に咲くものがある。
 地方によっては花が咲く前のつぼみを山菜として扱う所がある。そのままをてんぷらで食べるらしい。塩漬けしたものはアンニンゴ(杏仁香)漬けとよぶそうだ。果実のサクランボはすきまが広いブドウのようで、熟すと食べられる。赤から黒に代わる頃のものは色と香りが美しく果実酒などに利用されるという。
 この花の名前を知るまで、桜とは思わなかったが、その実もまたサクランボとは思わなかった。市原でも食す習慣があったものかわからない。高木に実る果実は容易に手に入らない。が、手に入れば一度は食してみたいと思いつつ里山を散策している。
 市原の自然は豊かで素晴らしい。いつまでも大切に残したい。

(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る