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市民の手づくりによる展覧会
- 2018/1/18
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『アディオスアミーゴ ぼくらの深沢幸雄展』開催中
昨年1月に92歳で亡くなった戦後日本を代表する銅版画家であり、市原市の名誉市民でもある深沢幸雄さん。東京美術学校(現東京芸大)卒業後、市原第一高校(現市原高校)で美術教師をしながら、独学で銅版画を始めた。彼の詩情あふれる作風は国内外でも高い評価を受け、世界各国の展覧会に出品された。日本版画協会の理事長を務め、紫綬褒章も受章。
「とても偉大な方なのに、まったく偉ぶるところのない方だった」と、地域住民から「深沢先生」と慕われていた。しかしながら、「まだまだ深沢先生の素晴らしさを知らない人も多い」と残念に感じる人たちも少なくなかった。2007年から開催している市民手づくりの展覧会『ぼくらの深沢幸雄展』も、「市原市の誇り」であり「地域の宝」である深沢幸雄さんの作品を、より多くの人たちに見てほしいという地域住民の想いから始められた。現在、市内5カ所のギャラリーで同展覧会が開催されている。深沢さんの教え子や近隣の人たちから出品された他ではなかなか見ることのできない、この企画ならではの作品やゆかりの品を観ることができる。是非、この機会に改めて深沢作品の魅力と触れ合い、ふるさとの偉人の足跡を辿ってみては。
★ギャルリ梦心坊『どこからか宮沢賢治の星めぐりの歌が聞こえてきます』
オーナーの新保さんが所有する深沢作品(版画・ガラス絵・書等)25点を展示。また、深沢幸雄さんが作った徳利とお猪口も飾ってあり、「お酒好きな先生から頂いた。展示している3点の書画は他にはない一点もの。13年前にギャラリーをオープンした記念展示が深沢幸雄展でした。2012年にも、深沢先生の88歳のお祝いにと展示会を開催しました。そして今回。ご縁があるのだと思います」と新保さんは振り返る。入館料500円
※会期中、展示替えあり。2月12日(祝)までの(金)(土)(日)(祝)のみ。11~17時。市原市皆吉967の6
TEL0436・92・1784
★ぎゃらりぃ駅舎『深沢幸雄と京葉画廊の物語』
市原市初の画廊として昭和48年にオープンし、平成25年12月の閉館までの間、地元の作家として何度も深沢幸雄さんの展覧会を開催した京葉画廊のオーナーが所蔵する銅版画作品12点を展示。ぎゃらりぃ駅舎 オーナーの山内さんは深沢幸雄さんの教え子。市原高校で3年間、授業で美術を教わり、深沢さんが顧問を務めた美術部では部長としても「かわいがっていただいた」と話し、「雄弁な方で曲がったことが大嫌い。非常に真面目でした。先生を囲んで飲む『幸の会』では興に乗ると、大好きな宮沢賢治が作った『星めぐりの歌』を歌っていました」と懐かしむ。
1月28日(日)までの(土)(日)のみ。11~16時。市原市牛久889の2山内ビル1階(牛久駅前)
★内田未来楽校『深沢幸雄 書の魅力』
地元の人たちが所有する「優しい字」と大好評の深沢幸雄さんの書作品14点と銅版画作品を展示。宮沢賢治や北原白秋などの詩を書いたもの。中でも注目すべきは、中廊下に展示された銅版画作品『メヒコ』。叔父から作品を譲り受けた武内哲夫さんは「作品集に載っていないレアなもの」と話す。尚、会場では武内さんが深沢幸雄さんからいただいた映像データの上映も。1月28日(日)までの(土)(日)のみ。11~16時。市原市宿174の8(内田簡易郵便局奥)※内田未来カフェ・産直野菜販売併設
★酪・ガレリア『深沢幸雄のガラス絵 彩』
地元の人たちが所有する深沢幸雄さんの色鮮やかなガラス絵作品21点をメインに銅版画作品10点を展示。1月21日(日)まで。11~16時。市原市朝生原220の1
TEL0436・96・1299※窯焼きパンと焼き菓子の店『酪』併設
★アートハウスあそうばらの谷『みんなの深沢幸雄展』
地元の人たちの所有する深沢幸雄さんの銅版画作品20点余りと陶芸作品を展示。初期から晩年まで幅広い年代の作品から、深沢幸雄さんの作風の変化をみることができる。1月28日(日)までの(土)(日)のみ。10~16時。市原市朝生原1083