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県花『菜の花』を油にして楽しむ
- 2018/2/2
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市原市朝生原在住の高橋洋介さん(28)は、市原市地域おこし協力隊として平成29年4月より活動している。地域おこし協力隊とは、過疎地域に若者を最長3年招致し、様々な活動を通して地域活性化を図るもので、平成27年度にはすでに全国で2625名が活動中だ。
高橋さんは市原市出身。県内の高校から都内の美大へ進学し、卒業後はグラフィックデザイナーとして活動していた。「まだ都内にいた頃、菜の花の種まきに参加したんです。それまで菜の花は自然に咲くものだと思っていましたが、初めて一面の菜の花は地域の方の努力の結果だと知りました。眺める側ではなく、綺麗な風景を生み出す方に立ちたいと思うようになりました」と、協力隊に応募した経緯を語る。
現在は養老渓谷駅から徒歩圏内の古民家に暮らし、菜種油『ハルイチバン』の製造に力を注いでいる。昨年12月まで、小湊鉄道の里山トロッコが走る期間に合わせて、養老渓谷駅前で『ハルイチバン』で揚げたポテトチップスの販売も行っていた。「まずは実際に味わって知ってほしい。興味が出たら、来年の春に菜の花畑を見に来て欲しい」と話す高橋さんは、今後いかに若い世代を呼び込むかにも重点をあてている。 秋に撒いた種は、翌年の春に花を咲かせる。ピークを過ぎた菜の花を刈り、天日で干し、ブルーシートの上で種を取って、唐蓑を使って選別する。種とりはほとんどの工程を手作業で行うため、人手不足が課題だ。
2018年春、菜の花畑を見に来てくれた人に向けて予約を開始。予約者には搾油が完了次第、絞りたての菜種油が届けられる。「搾りたての菜種油は独特の香りや色があります。市販のサラダ油のような溶剤も一切使っておらず、加熱もしていません。発送時には搾りたての『ハルイチバン』と一緒に、一本の菜種油ができるまでをまとめた小冊子『ヨム、ハルイチバン』もお届けします。出来上がりまでの苦労や思いも味わってもらえたら」と、高橋さんの思いは熱い。
カラッと揚がったポテトチップスに油っぽさは全くない。瓶に詰められた黄金色の油は千葉の味だ。春に満開の菜の花観賞を楽しみ、『ハルイチバン』を予約してもらう。その購入者たちと一緒に秋に種を撒き、翌年刈り取り、油の完成までの時間を共有していくことが今後の目標だ。
「まずは気軽に遊びにきてください。この活動が地域おこしのきっかけになれば嬉しいです」と、笑顔で語った。現在、高橋さんは来春の種とりに向けて協力者を募っている。また、『ハルイチバン』購入方法など詳細は問合せを。
問合せ 高橋さん
TEL 080・6752・8362
https://www.facebook.com/ichiharakyoryokutai/
名称・ハルイチバン 種類・菜種油(冊子付) 原材料・市原産菜種 内容量・500ml金額・3千円 販売所・市原南部直売所