ふるさとの魅力を伝えたい

 4月21日(土)から30日(月)まで、市内山田橋にある紅茶の店ホワイトコスモスで、市内在住の浅野毅(たけし)さん(72)が撮影した写真作品の個展『市原の自然・市原周辺の景観とチバニアン』が開催された。浅野さんは二十歳前後から写真撮影を始め、ほぼ半世紀撮り続けている。定年までJRマンとして勤め上げ、自分の写真ライフの原点は「山の写真」というほど登山に夢中になり、ネパールのエベレスト街道やスイスの山々も登った。今もJR東日本山岳会OB会に所属し、仲間たちと登山を楽しんでいる。「高い山がない千葉で生まれ育ったから、高山に憧れた。もう今は若い頃と違って高山へは登りませんが」と話す。
 旅好きでもあり、若い頃は県外や海外にも出かけ、旅先での撮影が多かったが、10年前に現役を引退してからは、もっぱら自分の生まれ育った地元市原を被写体にしている。5年前には地域で活動する写真撮影サークル『フォトクラブ遊写』に入会し、毎年行われる同クラブの作品展や会が所属する市原写真連盟の合同写真展に出品している。
 今回はチバニアンはじめ、コンビナートの夜景など人工的な美しいものや、自然が色濃く残る里山で出会ったアツモリソウ、クマガイソウ等の希少植物など、市原市内で撮影した28点を展示。「フォトクラブ遊写に入ってグループ展ですが、初めて公の場で自分の作品を発表しました。発表の場があるのは撮影の励みになるし、ひとりで撮っているときは撮りっぱなしだったけれど、サークルに参加することで皆の意見が聞けるのは勉強になります。もちろん個展は今回が初めて。市原の観光振興に貢献したい思いと、写真文化活動の一環としてやろうと思いました。タイミング的にもチバニアンが脚光を浴びている今、いいんじゃないかなと」。レンズを通して、あらためて市原の魅力を再確認する日々。
 市原コスモスライオンズクラブでのボランティア活動もあり多忙な日々を送る浅野さんだが、「子どもの頃から絵を描くのが好きで、小学生の頃に絵画コンクールで養老渓谷の弘文洞を描いて入賞したんですよ」と、6年ほど前から念願の日本画にもチャレンジ。「やってみたいな」と考えていた四国遍路は65歳の時、何度かに分けて札所を巡る「区切り打ち歩き遍路」で、10日間を一区切りに60日間かけて達成した。更なる願いは「今度は市外や県外で作品展を開き、外に向けて市原の魅力を発信していけたら」とのこと。同時に、「流暢な文章にも惹かれている」かねてより敬愛している日本山岳写真界の先駆的な存在である、ナチュラリスト田淵行男のような写真を撮りたいとのこと。
 尚、6月21日(木)から30日(土)まで、八幡宿駅市民ギャラリーで、浅野さんの参加している『フォトクラブ遊写』のグループ展が開催される。興味を持たれた方は是非ご覧になってみては。(内田)

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