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豊かな海がはぐくむ貝が大集合 『千葉の海 貝づくし』
- 2018/8/2
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千葉県立中央博物館分館 海の博物館(勝浦市)
美しい海辺でリーズナブルに休日を過ごしたい皆様へオススメスポットをご紹介。「海博」と親しまれている勝浦市にある千葉県立中央博物館分館 海の博物館だ。9月2日(日)まで『平成30年度収蔵資料展 千葉の海 貝づくし』が開催されており、お馴染みの貝殻から、「えっ!これも貝の仲間なの?」と驚くようなものまで紹介されていて、千葉県の海の豊かさや貝の世界の奥深さを再認識することができる。
知的好奇心を満たせるインドアと非日常の自然の中で童心に返って遊ぶアウトドア、両方の魅力があるスポット。
夏休みイベントとして人気の体験メニューも開催中。☆博物館の前に広がる磯で様々な生き物を観察する『磯・いそ探検隊』は、8月10日(金)9時30分~10時30分、8月12日(日)10時30分~11時30分、8月13日(月)11時30分~12時30分、8月14日(火)12時~13時。要保険料1名50円。☆ふだん見ることができない博物館の裏側を研究員の案内で巡る『博物館探検隊』は、8月15日(水)11時~11時30分、13時30分~14時、8月25日(土)13時30分~14時。☆博物館の中で簡単な工作を行い、作品は持ち帰れる『みんなで工作 海の生きもの』は、『海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう』。8月19日(日)10時45分~、13時30分~、1時間ほどで終了。要材料費1名50円。(※いずれも当日受付先着順で事前予約不可・定員15名、3歳以上、小学生以下は保護者同伴、要入館料)。
さて、海博の館内に入り、エントランスホール右手には常設展示室があり、博物館を取り巻く自然や房総半島各地の海岸や海中の様子や生きもの、観察や実験を行うコーナーなど、4つのジャンルで構成されている。こちらで、大まかに房総の海について知ってから、ホール左手にある『貝づくし』会場に。常設展示をご覧になったことがある方は『貝づくし』へ。
多角的に貝を見る楽しさを
同企画会場入口周辺の壁面には、色も形もバリエーション豊富で個性的な、近年、ダイバーや水中写真愛好家に絶大なる人気を誇るウミウシの写真が100点ほど展示されている。すべて同館の研究員である立川浩之さんが千葉県の海で撮影したもの。なんとウミウシも貝類なのだ。軟体動物の一員であるウミウシは巻貝の仲間でもあるが、多くの巻貝と違って殻は小さいか退化して消失しているとか。貝づくし会場は、千葉の海、貝の仲間たち、北限の貝・南限の貝、食べられる貝、いろいろな環境と貝、絶滅危惧の貝類・外来種の貝類・縄文人の食べた貝類、海の博物館前の潮溜まりで採集した微小貝など幾つかのテーマで構成、生体や標本、写真等が展示されている。
前出の立川さんは「貝は食用であったり、海辺で貝殻拾いをした思い出があったりと、私達にとって馴染みの深いもの。当館が自然を体験していただく施設としてオープンしたのが平成11年。準備期間も含め、これまでに約20年、貝の標本を1万2千点収集しました。その中から今回は千葉の貝に焦点を当て紹介しています。黒潮と親潮の両方の影響を受ける房総半島には約3千種類の貝類が生息していると考えられています。多様な貝を見ることで海の生きものの不思議さや素晴らしさを発見してもらえたら」と話す。
会場に入ってすぐ正面に展示されているのは、原始的な形態を残している「生きている化石」といわれるオキナエビス。次のコーナーでは千葉県では唯一の立川さんが鴨川市で採集したトグロコウイカの標本と写真、学術論文が展示されている。続いて、貝の仲間であるイカやタコということで、世界最小のヒメイカやタコブネも。北限・南限の貝のコーナーには、貝殻拾いを楽しむ人やビーチコーマーにも人気のタカラガイが登場。食べられる貝では食欲をそそるアワビやサザエをはじめ、バラエティーに富んだ顔ぶれが並ぶ。珍しいものはと尋ねると、「砂地で見られるというキンギョガイやヒガイ。自分の殻に海底に沈んでいる他の貝殻や石を付着させるクマサカガイ」とのこと。お見逃しなく。
同展イチオシは『小さい貝を観察しよう』のコーナー。博物館前の磯で採集した大きさ数ミリ以下の小さな貝、微小貝を顕微鏡やルーペで見ることができる。拡大写真も展示されている。滅多に見かけないコーナー。来場者は「想像を絶するものがいる」とコメント。気になる方はミクロの世界を覗いてみては。
問合せ 県立中央博物館分館 海の博物館(勝浦市吉尾123)
TEL 0470・76・1133
開館時間9~16時30分※入館は16時まで。休館日は毎週月曜日だが8月は無休。入館料は一般200円、高校・大学生100円、中学生以下・65歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料。