花贈りを通して人々に笑顔と幸せを届けたい

株式会社 花茂 代表取締役 大矢 みな さん

 市原市と茂原市を拠点にフラワービジネスを展開する、創業70年余の老舗、株式会社花茂。代表取締役の大矢みなさん(49)は、大学在学中に市原店でのアルバイトを経て入社、店長をまかされた。その後、創業者の孫にあたる大矢仁さんと結婚。2002年、代表取締役に就任した。現在、市原市内で仁さんと大学生の長女、実母と4人暮らし。
 「『ありがとう』の気持ちを伝え合い、人との繋がりを深めるためのツールやアイディアがあふれている、身近で便利な存在」を花茂の存在価値と考え、地道に様々な形で顧客の心をつかむ経営努力を重ねてきた。そうして今年の母の日にはフラワーギフト1万個の受注生産を、フラワースクールを開けば毎回大盛況となるなど着実に成果を上げている。
 戦後間もなく茂原市で創業した花茂。35年前、株式会社はなもを設立し5年後に市原店開店。その後、店長となった大矢さんは25年前にはなもフラワースクールを開設した。「もともと、お花が好きでフラワーデザインを学んでいました。はなもフラワースクールを始めた頃は生まれた娘をおんぶして教えていたこともあります」と当時を振り返る。
 日本でフラワーデザインに関する唯一の国家資格である1級フラワー装飾技能士の資格を取得している大矢さん。年に2回、外部講師を招き技術講習会を開き、検定試験費用は会社負担でスタッフにもフラワー装飾技能士の資格取得を奨励している。その甲斐あって国家資格取得者は1級4名、2級も4名いる。県外からも依頼があるフラワースクールではスタッフが講師を務めている。フラワーショップ主宰の教室で外注の講師ではなく自社スタッフが講師を務める例は珍しいそうだ。
 フラワースクール開催と同時期に、その頃では革新的なインターネット販売も手がけ、更にパック花の加工工場開設やスーパー等への卸売り、切り花の輸入事業にも取り組み拡大路線を。「夫は多角的にやりたいタイプ。パック花や輸入花が成功して一時景気の良い時は、10億円の売り上げで社員が90人いたことも。でも、成功ばかりではありませんでした。雑誌に広告掲載をしたギフトの通販は大失敗だったし、激安花店の出店も1年で撤退、切り花の輸入も検疫の問題や流通コストの高騰で3年で撤退しました」と大矢さん。
 2016年に創業70周年を迎えるにあたり、大矢さんは3年かけて一大改革を行った。「目指したのは経営の正常化と社員が主役の会社。経営陣の整理をし、家族経営から法人へと形を整えたことにより、社員の待遇を良くしました」。販路拡大から地元密着にと路線変更。原点回帰と、今年7月には社名を創業時の『花茂』に変更した。

女性の活躍を支援したい!

 現在、28名の従業員が働く花茂。市原店がある敷地内の加工場でのフラワーギフト製造、葬祭やブライダルに加え、昨年からは新規事業として個人宅の庭のメンテナンスを請け負う『Oh庭Ya』もスタートした。今後、挑戦したいことは、「法人向けの顧客開拓や癒しの空間を提供する植物販売とレンタル、異業種とのコラボレーションを。今年夏から始めた食品会社とのコラボは、食品の通販でテーブルセッティングのお花の提供を。他にもパルシステムや生協、コンビニなどとのコラボなど。ビジネスチャンスは、まだまだあると思います」と語る大矢さん。
 新たな事業を手がけるにしても、経営者としてこだわるのは、スタッフが笑顔で元気にキラキラと輝いて働ける職場の環境づくり。そのためには「私自身が満足した生活を送り笑顔でいないと。だから常に心がけているのは、自分を信じてコツコツと物事に取り組むこと」と微笑む。年に2回、スタッフ全員と面談し、その意見を取り入れている。

 女性が輝いて働けるようにとの願いは社内だけにとどまらない。大矢さんは、千葉県中小企業家同友会市原支部支部長、いちはら女性企業家支援ネットキャリサポ代表、市原商工会議所女性会副会長、市原青年経済人交流会役員を務め、地域の働く女性たちを支援したいと社外活動にも力を注ぐ女性リーダーでもある。「人と関わるのが好き」とにこやかに話す。
 多忙な日々を送る大矢さん、趣味は読書と晩酌。秋の夜長、ご主人が腕を奮ってくれる肴に舌鼓を打ちながら、ワイングラスを片手に本を読みふける姿が目に浮かぶようだ。フローリストとなって約30年。代表取締役になり16年目を迎えた。後継者について尋ねたら「まだ、そんなことは考えていません。私はあと30年は絶対に働きます。生涯現役です!」と笑い飛ばした。終始、笑顔でインタビューに応じてくれた大矢さんの夢は「フラワーセラピストとして全国の女性やお年寄りの心を癒す活動をすること」とのことだ。

問合せ 花茂
TEL 0436・24・4187

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