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囲炉裏のそばで、竹あそび 数十年前の世界へタイムスリップ
- 2018/12/14
- 市原版, シティライフ掲載記事
11月18日(日)、有秋公民館主催で開催された『親子でアウトドア』。親子で里山の活動を体験し、絆を深めることを目標に行われた同講座には、有秋台や姉ヶ崎、千種や五井など様々な地域から26名の親子が参加した。朝9時に市原市入山斗にある『竹・いろりの里』へ集合。同場所は、里山保全団体の『SaToYaMaよくし隊』が整備管理を行っており、敷地面積4550坪。囲炉裏があり食事も可能なスペースの周りには、数個の池や田んぼの他、身体を思いきり動かして遊べる広場がある。
同隊の隊長である鈴木幹夫さんは、「里山管理は大変ですが、親子で自然を楽しんでもらえるのは嬉しいです。この経験を基に、将来は自然環境を守ってくれるような子が育って欲しいです。この場所を守ってくれるよくし隊メンバーも募集中です」と話す。『竹・いろりの里』内の竹林は標高最大50mと小高い丘になっている。参加者たちはビニール袋を手に、まずは里山探検をスタートした。よくし隊が整備した階段をゆっくりと登りながら、足元に落ちているドングリや葉っぱ、小さなキノコを袋に入れていく子ども達。「今年の風雨で折れてしまった大木やイチョウは塩害の被害で紅葉せずに茶色くなってしまいました。太い木はたくさんありますが、これはスダジイという名前です」と、よくし隊のメンバーが説明すると「可愛い名前ですね。それじゃあ、スダバアという木もあるのかしら」と、参加者から味のある声が飛ぶ一幕も。「これ見て!」と差し出した子どもの手にあったのは緑色の小さな球。「杉の木の種だね」とメンバーに教わると、両親は「花粉症だから家の庭には植えられないね」と笑った。
頂上まで登った丘を、ゆっくりと下山する参加者達。ひらけた場所に出ると、そこには『やまびこ広場』の看板がある。早速、「ヤッホー!」と何度も繰り返す声が、11月の冷えた空気に響いた。広場には、よくし隊が栽培しているハヤトウリが何個もぶらさがっており、「食べられるの?」と質問が。それに答えるように、「漬物にするとすごく美味しいんです。このクロモジの木は楊枝になるんですよ。今は蕾が出ていますが、春一番に花が咲きます」と歩きながら話すメンバー。
畑を抜けると、目の前に現れたのは竹でできたアスレチック遊具!竹や杉とロープでつながれた大きなアスレチックに、子ども達が興奮して駆けあがる。そして、軍手をはめた両手でしっかりと竹を掴み、数メートルの高さをスルスルと登り降り。ブランコやシーソーに乗っては、何度地面に転がっても笑いながら起きあがる子ども達に、逞しささえ感じた。「住宅街の中にいるので、普段からこういう場所が周りにあると魅力的だと思います」、「いつもはバドミントンとかで遊んでいます。今日はすごく楽しい!」と話すのは有秋台団地から参加した母と男児(7)。
そして、遊び心に火をつけられたのは決して子ども達だけではない。「お父さんはザリガニ釣りがしたいんだ!」と、紐を付けた枝を池に落とす父子。10㎝ほどの竹筒に紐を通した『竹ぽっくり』や竹馬を、子どもと一緒に体験する親子。コンクリート道路の上を竹ぽっくりで歩くと、カポカポと小気味いい音がする。「昔は、みんな下駄をはいていたから、普段からこういう音を耳にしていたんだよ」と教えられ、音を楽しむように何往復も歩き続ける子ども達。母親達も、木の幹にこっそりと佇む小さなトトロを見つけて「可愛い!」の大合唱。携帯のカメラを向けて写真に収めていた。
懐かしき食事風景
いろり広場ではよくし隊メンバーによる昼食の準備が進む。囲炉裏の中では30本以上の竹串に刺さったサンマが焼かれている。近寄るとほんのりとした温かさと共に、ふわりと魚のいい香り。「今では七輪で焼くこともないですもんね」と話す参加者に、「サンマは縦にして焼くと、油が落ちてさっぱりと焼け美味しいです。気温や風の具合に寄って焼ける時間は異なります。火に腹を向けて、目で見えるほどに焼き色がついたらひっくり返すポイントです。最初にぬった塩も浮き出るようにはっきりと見えてきます」と、メンバーはコツを伝授。 昼食のメニューは、メインにさんまの塩焼きと親芋のバターステーキ。親芋は里芋より粘り気が少なく、ほくほく感が強い。栽培場所で採れたシイタケ焼きもバターで香り付して完成だ。他、豚汁や焼きおにぎり、バナナとたくさんの食材が並んだテーブルで、たくさん遊んだ子ども達は笑顔で空腹を満たしていた。
問合せ 鈴木さん
TEL 090・2147・1598