ふるさとビジター館 いちはら自然探訪 ムラサキシキブ

 ムラサキシキブ(紫式部)の見ごろである。弓なりに張り出した枝の葉の付け根ごとに3ミリの核果を沢山付ける。6月に咲いた淡紅紫色の花(4ミリ)より鮮やかな紫色。庭木にも使われる。
 クマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木で高さは3メートル。葉腋に集散花序を付ける。里山ではヤブムラサキ(藪紫)種類も見られ、葉の両面、葉柄、枝、萼などにフワフワした星状毛がある。
 湿地では高さ2メートルのコムラサキ(小紫)、葉はやや小形、枝は帯紫色、実つきがよく、紫式部の商品名で庭木にされることもある。
 白い実がなるのはシロシキブ。葉だけの時はよく似た樹形や葉形もあり存在感が薄い。秋になると、鮮やかな紫色で存在を強くアピールする。
 紫の実を平安時代の紫式部に例えたというが、それより前は何と呼んでいたのか? ミムラサキ(実紫)、タマムラサキ(玉紫)、ムラサキシキミ(紫敷実)、コメゴメ(米々)、等の別名の中に本命があるのかと、考え楽しんだりする。
 幸せ気分が増した最初の出会いも、歩くに連れて意外に数が多いことに驚いた。市原の雑木林では珍しくもなく、ありふれた草木の仲間なのだ。豊かで美しい市原の自然、いつまでも大切に残していきたい。
(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)

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