私のひとり言

亀の話

  市原市更級地区に住むわが家の庭に亀が5匹ほどいる。以前は養老川沿いに居住していたが、時々田んぼや庭先で見かけ、親の代から親亀2~3匹水槽に入れて子供たちにも触れさせていた。家の移転準備を始めていた20年前、偶然にも庭にやってきた野生亀とその卵に遭遇。植木鉢に移し新天地(更級)に家族と共に移転した。
 移転後の春先、草花を植え替えようと何気なく鉢の土をひっくり返すと、殻の破れた中に子亀が五匹現れビックリする。そして家内は親亀と子亀を水槽で育てた。20年経つと身体は同じでどちらがどうか分らない。夏場は水槽で過ごし、冬が近づくと土の桶に移す。寒くなるといつの間にか土に潜り、姿は見えなくなる。春先になると姿を見せる時も、再び潜り静かな時もある。以前は桶の蓋も簡易的であったことから、ある時庭を歩いている2匹の亀を見つけ慌てたこともあった。その後、家内は水槽に移すまで逃げ出しては困ると、ネットでしっかり縛り管理してきた。
 わが家には小さな水溜まりや僅かな自然の庭もあるので「自然界?に帰してやろう」と家内に話したら「もう何十年も狭い中に閉じ込めていたからね」と今年の夏に庭に放した。水溜まりで顔を出す亀、庭を歩いている亀、庭に卵を産んだ亀など、水槽で見かける姿とは違う様々な出会いを体験している。詳しい亀の分類は分らないが、日本の淡水カメの殆どはイシガメかクサガメと言われクサガメのようだ。幼体時にはゼニガメとも呼ばれ寿命は「亀は万年」とのことわざがあるが、寿命は20~40年とされている。我が家の亀たちも家族ともども長寿であれと願っている。
・相川浩:市原市出身。三井造船で定年まで勤め、退職直後の平成20年、自宅敷地にギャラリー・和更堂を設立。多くの郷土の芸術家と交流する。「更級日記千年紀の会」事務局担当。

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