こでまりの夢 ~ 親の足型、子が踏む ~

子どもというのは、親の言う通りにはしませんが、親のする通りにするものですね。また違う言い方をすれば、『親の思い通りにはならない。親の心通りになる』とも言われます。似てほしくないところを受け継いだりして、我が子は自分の鏡のような存在です。そして、親と同じような道を歩む。このことを『親の足型、子が踏む』と言います。中には反面教師で、親のようになりたくないと思って違う道を歩んでも、孫がやる、とも言われます。
これはあくまでも先人の教訓ですが、なんだか自分にも当てはまることが多々あり、親としての自分をいさめる言葉になっています。子どもは良いことも悪いことも、親の背中を見て育つものなんですね。
ところで、先日こんなことがありました。保育園に通っている年長さんのAちゃんが、ゲームに負けて悔しがるお友達のBちゃんに、「負けることは悔しいけど、一生懸命に頑張ったんだからいいことだよ」と言っていました。数日後、今度は反対に慰めていたAちゃんが、あることに負けて悔し涙を流していました。それを見ていたAちゃんのお母さんは、「悔しいね。でも、それはいい涙なんだよ。その気持ちを忘れないで、次がんばろうね」とAちゃんに声をかけていたのです。
Aちゃんは日頃からお母さんに前向きな言葉をかけてもらっていたから、Bちゃんにも同じことが言えたのです。これも親の足型ですね。

中嶋 悦子(なかしま えつこ)
1965年生まれ。宮崎県出身。二男二女の母。大網白里市在住。エンカレッジ・ステーション(株)代表取締役社長。NPO法人民間児童館おおきなかぶ理事長。ありんこ親子保育園園長。保育士。エッセイスト。
連絡先 TEL.0475-53-3509

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