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ふるさとビジター館 いちはら自然探訪
- 2020/1/16
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冬枯れの草原に鮮やかに映える赤い鳥「ベニマシコ」、バードウオッチャー憧れの鳥である。体長15~16センチ、全身が紅色で黒い翼に鮮やかな二本の白条をもつ。和名にある「マシコ」とは「猿」のことで、漢字では「紅猿子」と表記する。体の中でも顔の部分が特に真っ赤で、猿のように見え、この名前がついたとされている。ただし、紅色なのは雄であり、雌は全体的に淡い黄褐色で雄に比べて地味である。
北海道や青森県の一部で繁殖し、秋冬には本州以南へ移動して越冬する。房総丘陵では林縁や疎林、耕作放棄地、草原などで、セイタカアワダチソウをはじめとする草の種子、ハンノキの芽等をついばむ姿が観察できる。美しい姿をぜひとも見たくなるが、下草に潜っていることが多く、警戒心が強いこともあり、姿を見つけることは容易ではない。ただ、「フィッ、フィッ」と鳴く優しい地鳴きを頼りにじっとして待つと姿を現わすことがある。
渡り直後の秋は、少しくすんだ赤色であるが、北国に戻る春が近づくとともに鮮やかさを増し、繁殖期の北国では、美しい深紅色になる。筆者も、北海道で夏季観察したことがあるが、その紅色の美しさに感動したことを覚えている。「ベニマシコ」は秋の季語とされているそうだ。特徴ある地鳴きが聞こえたら、周囲をそっと探して見よう。もし美しい姿に出会えたら、一句捻ってみてはどうか。
(ナチュラリストネット/岡嘉弘)